2001 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト冷戦期の平和と安全保障のための国際公共財〜国際社会にいかに新しい秩序をもたらすか〜
Project/Area Number |
13309010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 和男 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40182753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬島 誠 大阪国際大学, 法政経学部, 助教授 (60258093)
竹内 俊隆 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (60206951)
石黒 馨 神戸大学, 経済学部, 教授 (20184509)
藤本 茂 防衛大学校, 人文社会科学群公共政策学科, 講師
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Keywords | 国際公共財 / 冷戦後国際秩序 / 複雑系 / シミュレーション / 分散オブジェクト・モデル / ゲーム理論 / 多国籍 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究の目的は、冷戦後の国際関係において、新しい国際秩序をどのように構築すべきかを明らかにしようとすることであり、現実的な政策的要請と理論的な関心の双方に依拠した、政治学、経済学、複雑系などの諸分野にまたがる学際的な研究という特色を有するものである。本研究プロジェクトは、もともと平成9年より過去4年間、計20回ほどに及ぶ国際公共財についての学際的な研究会の積み重ねの上に構築されるものである。本研究は、科学研究費補助金による4年計画の研究であり、1年目の本年度は、今後3年間の研究の基盤造り段階として位置づけられる。本年度は、まず、方法論に関する議論とその整理が行なわれ、政治学、経済学での数理的理論的な蓄積を基礎として、シミュレーションによって実験を行うことが望ましいとの結論が得られた。 シミュレーションの分野においては、まず、スタンド・アローン型のシミュレーション・モデルが構築された。そこでは、国家を中心的な単位として、国際政治レベルでの分散型モデルが試みられ、複雑系としての国際関係における実験において、シミュレーションを用いた手法が有効であることが明らかにされ、さらに、ネットワーク上に分散した形での国際関係のシミュレーションへの準備作業が行われた。京都大学情報学研究科やIBM東京基礎研究所などで展開されている他分野のシミュレーション研究との接点を探る試みがなされ、予測できない現象が発生する現実の複雑系では、従来の中央コントロール型のシミュレーションではなく、オブジェクト単位の分散型のモデルを構築する必要が明確となった。更には、従来不可能とされてきた国際関係での実験や確率的な予測という意欲的な試みの可能性でさえ本研究の目標レンジに入ってきたのは、重要な成果であった。
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Research Products
(1 results)