2003 Fiscal Year Annual Research Report
球形晶析法による難吸収性薬物送達のためのナノ粒子の設計と機能発現の体系化
Project/Area Number |
13309013
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
川島 嘉明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩充 岐阜薬科大学, 助手 (30275094)
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 助教授 (50171616)
|
Keywords | ポリ乳酸・グリコール酸 / 肺上皮癌細胞 / ナノスフェア / 原子間力顕微鏡 / 粘膜付着性製剤 / 表面修飾 / キトサン / プラスミドDNA |
Research Abstract |
本研究は、タンパクなどの難吸収性の薬物送達システムとして、粒子サイズと表面物性が制御されたナノ粒子システムの設計法の確立を目的としている。これを達成するために、生体との相互作用に基づく機能性発現機構を分子・細胞レベルで明らかにし、最も合理的な微粒子薬物送達システムを構築することを目的とする。 1)粘膜付着性物質と粘膜成分との相互作用力の解析 前年度までに、空気中における粘膜付着性物質と粘膜成分との相互作用力を、原子間力顕微鏡を用いて測定する方法を確立した。本年は、より実際の環境に近づけた、緩衝液中での相互作用力評価法の確立に成功した。キトサンは緩衝液中でも他の物質に比べ、粘膜成分との相互作用力(吸引力)が働くことが明らかとなった。また、この相互作用力は、pHやイオン強度によって変化し、その相互作用力は、ラット摘出消化管を用いて実施した粘膜付着性実験の結果とよく相関していた。 2)粒子径と表面物性が制御されたナノ粒子システムの粘膜付着性、細胞親和性、細胞被貪食性の評価 粒子径を制御したpDNA封入ナノスフェアを調製し、pDNAのナノスフェアからの溶出性、ナノスフェアの細胞内取り込み、タンパク発現を明らかにした。細胞内への粒子の取り込みは、昨年度のポリスチレンラテックスを用いた結果と同様に、粒子サイズが小さいほど、その取り込み量は増加した。さらに、また、その表面をキトサンで修飾することにより、細胞内取り込み量、タンパク発現量が増加することが明らかとなった。これは、キトサン修飾によって細胞親和性が高まったためであると考えられた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] K.Ikegami, Y.Kawashima, H.Takeuchi, H.Yamamoto, N.Isshiki, D.Momose, K.Ouchi: "Primary crystal growth during spherical agglomeration in liquid : design an ideal dry powder inhalation system"Powder Technol. 126. 266-274 (2002)
-
[Publications] Y.Kawashima, M.Imai, H.Takeuchi, H.Yamamoto, K.Kamiya: "Development of Agglomerated Crystals of Ascorbic Acid by the Spherical Crystal lization Technique for Direct Tableting"KONA. 20. 251-262 (2002)
-
[Publications] K.Ikegami, Y.Kawashima, H.Takeuchi, H.Yamamoto, K.Mimura, D.Momose, K.Ouchi: "A new spherically agglomerated drug composite system with lactose for dry powder inhalation"Adv.Powder Technol.. 14. 215-229 (2003)
-
[Publications] Y.Kawashima, M.Imai, H.Takeuchi, H.Yamamoto, K.Kamiya, T.Hino: "Improved flowability and compactibility of spherical agglomerated crystals of ascorbic acid for direct tableting designed by spherical crystallization process"Powder Technol.. 130. 283-289 (2003)
-
[Publications] K.Ikegami, Y.Kawashima, H.Takeuchi, H.Yamamoto, K.Mimura, D.Momose, K.Ouchi: "A new agglomerated KSR-592 β-form crystal system for dry powder inhalation formulation to improve inhalation performance in vitro and in vivo"J.Controlled Release. 88. 23-33 (2003)
-
[Publications] 堀沢栄次郎, 當別當健司, 小村昭夫, 竹井宏, 山本浩充, 竹内洋文, 川島嘉明: "関節炎治療を目的としたキトサンコーティングPLGAナノスフェアの研究:キトサンコーティングによるリウマチ患者由来・培養滑膜繊維芽細胞への結合促進効果"薬剤学. 63. 29-33 (2003)
-
[Publications] 川島嘉明, 竹内洋文, 山本浩充: "すぐに役立つ粒子設計・加工技術"じほう. (2003)