2003 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙ガンマ線観測のためのダイヤモンド・コンプトン・リコイル・テレスコープの開発
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13354002
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
柏木 利介 神奈川大学, 工学部, 講師 (40202006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
奥野 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90281451)
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 助教授 (80260991)
高島 健 宇宙航空開発機構(JAXA), 助手 (10298193)
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Keywords | 放射線検出器 / ダイヤモンド / 半導体検出器 |
Research Abstract |
本研究ではダイヤモンド放射線検出器に対して様々な角度からアプローチを試みている。それは神奈川大におけるα線の照射実験であり、放射線総合医学研究所のHIMAC加速器における重粒子の照射でもある。しかしそれだけでなく我々は企業から得られた素材に化学的なアプローチとして様々な薬品に対する耐性評価も行っている。つまり我々の得ているダイヤモンドが本当に共有結合をした素材であるのかということを様々な観点で総合的に考えているのである。ここでα線入射、重粒子入射、化学的な検査をした上で一致した結論が現在得られている。つまり2000年以前に製作されたダイヤモンドは素材全体においては全てが共有結合をしているのではなく、驚くべきことに80%程度がアモルファス結合や炭素結合をしていたのではないかという結果が得られている。逆に2001年以降に製作された物品では素材内部の80%以上が共有結合をしていると考えられる。本質的にまた将来的にダイヤモンド素材は半導体そして放射線検出器として良い素材に間違いは無いと思われるが、この結晶が現在、完全な共有結合結晶として製作されていないことも事実である。現在はどの様に作られ、どのような状況にあるかを確かめるのも我々の役目と考えている。また企業で行われているラマン分光などの結晶評価よりも放射線を照射してキャリアを生成し、その挙動を観測する方法のほうが精度的にも微細な結晶評価を行うことができることが明らかになってきており、結晶評価に関する新たな品質管理法として放射線照射法を提案できたとも言えるだろう。今後も素材の製作会社とさらに連携をとり、素材の開発と共に、検出器の開発に心がけていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Kashiwagi, S.Okuno et al.: "The Diamond Compton Recoil Telescope"28^<th> International Cosmic Ray Conference 2003. Vol.5. 2995-2998 (2003)
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[Publications] 柏木利介, 奥野祥二他: "人工ダイヤモンド・センサの開発"神奈川大学工学研究所所報. No.26. 95-104 (2003)