2002 Fiscal Year Annual Research Report
微弱光源を用いた高速CCDカメラ高時間分解分光光度計の開発
Project/Area Number |
13354010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60127090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 千代春 浜松ホトニクス(株), システム(事)・第4設計部第33部門, 部門長代理
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Keywords | 高速分光 / 可視吸収 / 蛍光 / 蛋白質 / ロドプシン / G蛋白質 / 中間体 / CCDカメラ |
Research Abstract |
今年度購入したCCDカメラを装着することにより、可視吸収分光部と蛍光分光部のシステムがそれぞれ完成した。これらの装置を用いて以下の実験を行い、ロドプシンの構造変化過程とG蛋白質との相互作用過程を解析することに成功した。 (1)光を吸収したロドプシンはG蛋白質を活性化する状態(メタII)を経て、アゴニスト型発色団(全トランスレチナール)と蛋白質(オプシン)が解離する。蛋白質部分には再びインバースアゴニスト型発色団(11シスレチナール)が結合し、光吸収可能な状態に至る。これらのロドプシンの構造変化サイクルを解析する手段として、蛋白質部分のトリプトファン残基に由来する蛍光強度の変化を用いることが可能であることがわかった。具体的には、295nmの励起光を用いて低濃度(〜0.01OD)のロドプシンに光照射をすると、発色団が解離したオプシンに由来する蛍光(〜330nm)強度の増加が観測される。今後は部分的退色の問題等を解決することにより、より精度の高い解析システムが構築できると考えている。 (2)今まで低温下(-20℃)、及び界面活性剤を用いた溶液系で観測してきたロドプシンとG蛋白質の相互作用をより生理的条件に近い条件で解析することに成功した。具体的には、ウシ視細胞網膜(ROS)画分を用いてトランスデューシンとの結合、活性化に関わる中間体の在在を確認することができた。これらの成分は4℃で数秒、20℃で数十ミリ秒で生成、崩壊するため、本装置を用いてはじめてこのような解析が可能になった。また、視細胞中での情報伝達の速度と比べてもこれらの中間体の生成、崩壊速度は生理的に意味があることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Kuwayama: "Conserved Proline Residue at Position 189 in Cone Visual Pigments as a Determinant of Molecular Properties Different from Rhodopsin"Biochemistry. 41. 15245-15252 (2002)
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[Publications] H.Kandori: "Interaction of Asn105 with the retinal chromophore during photoisomerization of pharaonis phoborhodopsin"Biochemistry. 41. 4554-4559 (2002)
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[Publications] T.Okada: "Functional role of internal water molecules in rhodopsin revealed by X-ray crystallography"Proc.Nati.Acad.Sci. USA. 99. 5982-5987 (2002)
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[Publications] H.Ueyama: "Novel missense mutations in red/green opsin genes in congenital color-vision deficiencies"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 294. 205-209 (2002)
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[Publications] M.Koyanagi: "Amphioxus homologs of Go-coupled rhodopsin and peropsin having 11-cis-and all-trans-retinals as their chromophores"FEBS Letters. 531. 525-528 (2002)
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[Publications] T.Hirano: "Functional role of internal water molecules in rhodopsin revealed by X-ray crystallography"Photochem. and Photobiol.. 76. 606-615 (2002)
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[Publications] 七田芳則: "色覚(生物物理学ハンドブック)"朝倉書店(印刷中). (2003)