Research Abstract |
本年度は,研究用ヒューマノイドプラットフォーム開発の試作として,足裏部のセンシングシステムの開発,3次元視覚機能を持つヘッドの開発,動作能力拡大のため重要と考えるつま先関節の開発を行い,現有の人間型ロボットに装着し,評価した.また,人間型ロボットの全身行動記述のための実時間ソフトウエア及び,全身行動の基礎となる歩行制御システムの考案,実装,評価を行った.以下,それぞれについて述べる. 1.足裏部のセンシングシステムとして,足部に装着可能な重量,サイズで,動作時の衝撃荷重に耐える6軸力計を開発した.モーメントを伝達しない支持点を並列に配置する機構を考案し,構造と一体で厚さ30[mm]程度で,150[kgf]以上の垂直荷重に耐える設計とし,歩行制御に用いることが出来ることを確認した. 2.周辺環境の3次元形状を認識するためのステレオカメラを有するヘッドシステムを開発した.ステレオカメラの出力をIEEE1394規格の高速リンクにより運動制御と同一の計算機へ入力し,同計算機上で実時間視覚処理を行うことにより,実時間で運動制御に適用可能な視覚システムを構築した. 3.つま先関節については,これまでの成果を踏まえ,ノンバックラッシ化,高トルク化を図った. 4.実時間ソフトウエアシステムとして,サイクルタイムの異なる実時間ループを並行制御するシステムを開発し,全身行動研究の基盤として,サーボ,軌道管理,歩行のセンサーフィードバックによる安定化等のループや,逆運動学計算,動力学モデルを用いた逆動力学計算機能等を実装した. 5.歩行制御システムとして,オンラインで動力学計算を行い,歩行軌道を生成制御する手法を考案実装した. 6.これら成果をまとめて,3次元視覚に基づくオンライン移動行動制御を行い,今年度開発した機構,ソフトウエアをシステムとして評価した.
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