2003 Fiscal Year Annual Research Report
非破壊検査理論に基づく宇宙航空機用セラミックスのスクリーニング・システムの構築
Project/Area Number |
13355025
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松尾 陽太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70016608)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (80158039)
田邉 靖博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (70163607)
安田 公一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20191306)
|
Keywords | 非破壊検査理論 / 縦波弾性波 / 圧縮荷重 / 熱衝撃 / 等方性黒鉛 / 耐熱複合セラミックス / 損傷評価 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までの成果を受けて、ロケット発射時の熱衝撃によりノズル表面近傍に誘起される圧縮応力による損傷を模擬するため、材料表面音診システムおよび弾性率内耗試験機を用いて、等方性黒鉛および耐熱セラミックスの圧縮荷重下における損傷評価を詳細に実施した結果、以下のような成果を得た。 1.等方性黒鉛の縦波弾性波伝播速度(音速)は、負荷過程では圧縮応力の増加と共に単調に減少し、減少率が負荷とともに増加した。除荷過程では、音速は単調に回復したが、負荷を取り除いても完全には回復しなかった。この現象は減衰率の変化とよく対応した。これらの現象は黒鉛層間亀裂モデルにより説明できた。 2.耐熱複合セラミックスについて同様の実験を行なったところ,黒鉛とは対称的な結果を得た。すなわち、負荷過程においては高荷重域においてのみ音速が低下した。一方、除荷過程においては、負荷過程以上に顕著な音速低下が見られ、この傾向は荷重を完全に除荷するまで単調に続いた。この現象は、除荷過程において異相粒子界面での剥離破壊が生じ、損傷がさらに進行したためと考察した。 3.熱衝撃損傷を受けた耐熱複合セラミックスについて熱衝撃前後の音速の測定結果を、発生する熱応力から計算した相当応力により整理したところ、引張り応力域と圧縮応力域とで全く異なる傾向にあることが見出された。 以上の成果を踏まえ,損傷の時間発展を考慮した新たな非破壊検査理論を構築し、宇宙航空機用セラミックス材料のスクリーニング・システムの概念設計を行い、本研究を総括した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] K.Yasuda, T.Onuma, Y.Matsuo, T.Shiota: "Evaluation of dissipation energy during debonding and fiber-pullout Processes of a C/C composite"Proc.20^<th> International Japa-Korea Seminar on Ceramics. 367-370 (2003)
-
[Publications] Y.Matsuo, K.Yasuda: "Theory of non-destructive inspection of ceramics damaged through Machining process"JSME, Ser.A. 46. 502-505 (2003)
-
[Publications] Y.Matsuo, K.Yamamoto, K.Yasuda: "Biaxial fracture loci of isotropic graphite and their theoretical analysis by series-parallel link model"Key Engineering Materials. 247. 251-254 (2003)
-
[Publications] Y.Matsuo, M.Konno, K.Yasuda, T.Ikemoto, K.Goto, K.Sawano: "Statistical analysis of thermal spalling of refractories for Continuous casting"Proc.UNITECR 2003 Congress. 8. 260-263 (2003)
-
[Publications] Y.Matsuo, T.Nakamoto, K.Suzuki, W.Yamamoto: "Decreasing the number of test specimens by utilizing both fracture stress and fracture location for the estimation of Weibull parameter"J.Materials Science. 39. 271-280 (2004)
-
[Publications] 古嶋亮一, 松尾陽太郎, 塩田忠, 安田公一: "超音波パルスエコー法による等方性黒鉛の機械的損傷評価"日本セラミックス協会 2004年年会. (未定). (2004)
-
[Publications] 松尾陽太郎, 他22名: "はじめて学ぶセラミック化学"日本セラミックス協会. 143 (2003)