2002 Fiscal Year Annual Research Report
TiAl基合金の一方向凝固(DS)に関する基礎技術の拡張-DS基礎技術の大型複雑形状部材への応用とDS部材の特性-
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13355027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 正治 京都大学, 工学研究科, 教授 (90029108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 敬 産業技術総合研究所, 機械システム研究部門, 研究員
鉄井 利光 三菱重工業株式会社, 長崎研究所, 主任
伊藤 和博 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303856)
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Keywords | TiAl合金 / 一方向凝固プロセス / 一方向凝固合金 / ラメラ組織 / 組織制御 / クリープ強度 |
Research Abstract |
TiAl基合金の最大の弱点は、常温延性の乏しさにある。しかし、我々は、TiAl基合金に特有のTiAl相とTi_3Al相からなるラメラ組織の界面を荷重軸に沿うよう揃えれば、軸方向荷重に対して延性と強度を両立させ得ることを発見し、このような組織制御を可能ならしめる一方向凝固(DS)プロセスとDSプロセスに適合するDS合金の開発を継続的に実施することによって、DSプロセスに関する実験室レベルの技術をほぼ確立するに至った。 基本組成をTi-47at.%Al合金とするDS合金の開発指針として、合金元素を複数添加してもsolidification pathが基本合金と同様となるよう、我々は「Al当量(Aluminum Equivalent)」なる概念を導入した。本年度、この「Al当量」を用いてできるだけ広範囲の組成にわたる合金設計を可能ならしめるため、Ti-Al-Nb系ならびにTi-Al-Ta系を対象に「Al当量」の組成依存性を明らかにし、この組成に依存する「Al当量」を用いることによって、広組成範囲のTiAl基DS合金を設計できることを明らかにした。 さらに、DS合金のクリープ強度と組成の関係を系統的検討し、DS合金の場合、ラメラ組織の方位を制御することによって著しく強化されるため、クリープ強度に関する限り、ラメラ組織の方位を制御するために不可欠な0.5at.%程度のSi添加による強化で十分であることを明らかにした。耐酸化性を確保するために3.0at.%程度Nbを添加する必要があるが、組成依存「Al当量」を用いることによって、DS組成を適正に設計できる。このような観点に立てば、TiAl基DS合金に必須な合金元素は、SiとNbに限定できると言っても過言ではない。このような本年度の成果は、TiAl基合金の組成設計に明確な指針を提供するものであると信ずる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shinji Mutoh: "Directional solidification of TiAl-based alloys and properties of directionally solidified ingots"Adv.Eng.Mater.. 3(6). 391-394 (2001)
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[Publications] H.N.Lee, D.R.Johnson, H.Inui, M.H.Oh, D.M.Wee, M.Yamaguchi: "A Composition Window in the TiAl-Mo-Si System Suitable for Lamellar Structure Control Through Seeding and Directional Solidification"Materials Science & Engineering. A329-331. 19-24 (2002)
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[Publications] S.E Kim, Y.T.Lee, M.H.Oh, H.Inui, M.Yamaguchi: "Directional Solidification of TiAl Base Alloys Using a Polycrystalline Seed"Materials Science & Engineering. A329-331. 25-30 (2002)
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[Publications] H.Inui, K.Chikugo, K.Nomura, M.Yamaguchi: "Lattice Defects and Their Influence on the Deformation Behavior of Single Crystals of TiAl"Materials Science & Engineering. A329-331. 377-387 (2002)
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[Publications] S.Muto, T.Yamanaka, D.R.Johnson, H.Inui, M.Yamaguchi: "Effects of Refractory Metals on Microstructure and Mechanical Properties of Directionally-Solidified TiAl Alloys"Materials Science & Engineering. A329-331. 424-429 (2002)
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[Publications] H.N.Lee, D.R.Johnson, H.Jnui, M.H.Oh, D.M.Wee, M.Yamaguchi: "Directional Solidification and Creep Deformation of a Ti-46Al-1.5Mo-0.2C Alloy"Intermetallics. 10. 841-850 (2002)