半導体ナノ粒子薄膜を用いた光メモリーデバイスの開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13355030
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 山口 由岐夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20332570)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 前之園 信也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00323535) ; 松井 功 東芝, 研究開発センター, 主任研究員
• Keywords: 半導体ナノ粒子 / 光記録媒体 / 光ディスク / 粒子配列 / 塗布 / 共焦点レーザー顕微鏡

Research Abstract

半導体ナノ粒子(Nanocrystal : NC)は量子閉じ込め効果によりバルクと異なる物性を示すため、新規光機能材料として近年注目を集めている。しかし合成法、単一NCの光物性に関する研究が主であった。光機能素子を作製する際にはNC簿膜を作製する必要がある。また粒子配列構造の制御によって、単一NCと異なる機能を付与できる可能性がある。H13年度は、NC配列構造と光機能(光メモリ効果)に関する研究として、近接場光学顕微鏡によるNC薄膜における光メモリ効果の基本特性評価と、NC薄膜を記録層として用いた光記録媒体の評価装置の作製および動作確認を実施した。本年度は、(1)粒子分散液の固体基板上への塗布・乾燥による粒子配列膜作製および分散液組成と配列構造との相関に関する解析、(2)共焦点レーザー顕微鏡によるNC薄膜への多値記録を行った。
(1)粒子配列膜作製および粒子分散液組成-配列構造の相関
モデル粒子としてコロイダルシリカを用い、水/ブロバノール混合溶媒に分散させ、pH、即ち粒子のζ電位を変化させた粒子分散液を調整した。PETフィルム上に該粒子分散液をバーコートした後、乾燥過程で粒子が自己配列することによって粒子単層配列膜を得た。この粒子配列膜の構造を原子間力顕微鏡および画像解析によって評価し、規則配列を得るための指針を得た。
2)共焦点レーザー顕微鏡によるNC薄膜への多値記録
前年度、近接場光学顕微鏡による評価において光記録が極微小領城でも可能であることがわかった。しかしながら高密度化という意味で不充分であったため、多値記録を行うことによって記録密度向上を図った。そこで共焦点レーザー顕微鏡を用いて励起光照射時間を変化させた場合に蛍光強度の増加率が、多値記録に充分かどうかを検討した。その結果、原理的に可能であることがわかり、更に書き込み速度についても現行のCD-Rと同等であることがわかった。

Research Products

• [Publications] J.Kimura, S.Maenosono, Y.Yamaguchi: "Near-Field Optical Recording on a CdSe Nanocrystal Thin Film"Nanotechnology. 14. 69-72 (2003)
• [Publications] S.Maenosono, T.Okubo, Y.Yamaguchi: "Overview of Nanoparticle Array Formation by Wet Coating"Journal of Nanoparticle Research. (in press). (2003)
• [Publications] H.Nishikawa, S.Maenosono, Y.Yamaguchi, T.Okubo: "Self-Assembling Process of Nanopartcles into Two-Dimensional Arrays Induced by Capillary Immersion Force : A Numerical Study Using DEM"Journal of Nanoparticle Research. (in press). (2003)
• [Publications] Shinya Maenosono, et al.: "The Microstructure and Optical Property of Semiconductor Nanoparticle Films"Proc.11th Int.Coating Sci.Technol.Symposium. 59-62 (2002)
• [Publications] Toru Okubo, et al.: "The Microstructure Control of Particle Films : by Suspension Properties"Proc.11th Int.Coating Sci.Technol.Symposium. 194-197 (2002)
• [Publications] H.Nishikawa, S.Maenosono, Y.Yamaguchi, T.Okubo: "Evaporation-induced Self-assembly of Colloidal Particles into Two-dimensional Array during drying"Geotechnical Special Publication No.117 Discrete Element Methods.Proc.Third Int.Conf.. 255-258 (2002)