2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生促進作用を有する生体内分解吸収性の自己組織化マトリックス分子材料の開発
Project/Area Number |
13357014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 克昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (30025613)
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
西村 善彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (50081790)
山田 秀明 (株)クラレ, メディカル・研究グループ, 主任研究員
中島 俊秀 (株)クラレ, メディカル・研究グループ, 研究リーダー
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Keywords | アルギン酸 / 再生 / 中枢神経 / 末梢神経 / 脊髄 / 人工神経 |
Research Abstract |
末梢神経の再生実験として、約8週間で分解吸収されるように調整した共有結合性架橋アルギン酸を用いてネコの坐骨神経の再生を評価した。坐骨神経にやく2センチのギャップを作成しアルギン酸にて架橋した。移植後3ヶ月の組織ではギャップに多くの再生軸索が観察された。また、電気生理学的にもギャップを越えて信号が伝播していることが証明された。中枢神経の再生実験として、アルギン酸と神経幹細胞を用いた中枢神経特に脊髄の再生に関して研究を行った。損傷を加えた脊髄に神経幹細胞を直接損傷部位に移植する場合、脳脊髄液を介して移植する場合等を研究した。まず、脊髄に損傷を加え、その組織の経時的変化を観察し、神経幹細胞を移植するための基礎実験を行った。神経幹細胞は胎生16日頃のラット海馬組織より採取し、浮遊培養法によりNeurosphereを得た。これを、損傷を加えた後アルギン酸を移植したラットに移植した。直接損傷部位に移植検討した。また、脊髄に損傷を加えた直後に移植したもの、損傷後3週間経過した後移植したものも検討した。損傷された脊髄は3日目頃よりマクロファージ等の炎症細胞が侵入し、約2週間で損傷が完成し、脊髄組織内に空洞形成されることがわかった。移植した神経幹細胞は宿主の脊髄組織に、いずれも良く生着し増殖しているものと思われた。損傷部位では、いずれの移植法でも一部損傷脊髄内に侵入し、宿主脊髄細胞と相互作用をしていると思われた。免疫組織化学染色により、宿主内に侵入した神経幹細胞は、主に星状膠細胞に分化している姿が得られた。また、数は少ないが、ニューロンに分化していると思われる細胞も見られた。また、希突起膠細胞に分化している細胞はほとんど見られなかった。損傷により形成された空洞を埋めるほどの再生は得られていないが、今後の研究に期待がもてる結果が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Wu, S.F.: "Facial nerve repair using alginate sponge without suturing"Scandinavian Journal of Plastic and Reconstructive Surgery and Hand Surgery. (in press).
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[Publications] Suzuki, Y.: "Electrophysiological and HRP-tracing studies of nerve regeneration through alginate-filled gap in adult rat spinal cord"Neuroscience Letters. 318. 121-124 (2002)
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[Publications] Wu, S.F.: "New method for transplantation of neurosphere cells spinal cord through cerebrospinal fluid in rat"Neuroscience Letters. 318. 81-84 (2002)
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[Publications] Wu, S.F.: "Migration, integration, and differentiation of hippocampus-derived neurosphere cells after transplantation into injured rat spinal cord"Neuroscience Letters. 312. 173-176 (2001)
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[Publications] Wu, S.F.: "Sciatic nerve regeneration through alginate with tubulation or non-tubulation repair in cat"Journal of Neurotrauma. 18. 329-338 (2001)
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[Publications] Ide C.: "Grafting of choroid plexus ependymal cells promotes the growth of regenerating axons in the dorsal funiculus of rat spinal cord"Experimental Neurology. 167. 242-251 (2001)
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[Publications] Kataoka K.: "Alginate, a bioresorbable material derived from brown seaweed, enhances elongation of amputated axons of spinal cord in infant rats"Journal of Biomedical Materials Research. 54. 373-384 (2001)
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[Publications] Suzuki, Y: "Alginate hydrogel linked with synthetic oligopeptide derived from BMP-2 allows ectopic osteoinduction in vivo"Journal of Biomedical Materials Research. 50. 405-409 (2000)