2004 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類頭部神経堤幹細胞の分離法の開発と頭蓋顔面部の組織再生への応用
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13357015
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
江藤 一洋 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30014161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80251544)
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313228)
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Keywords | 頭部神経堤細胞 / 再生 / 幹細胞 / 細胞増殖 / 細胞分離 / 細胞培養 |
Research Abstract |
遺伝子導入マウスの神経上皮の初代培養による頭部神経堤細胞の分可能の検討を行うため、神経堤細胞で特異的にE.coli由来b-galactosidaseを発現するWnt-1cre/R26Rマウス及び全身で蛍光色素GFPとb-galactosidaseを産生するTWGXマウスからまず神経堤細胞を分離し、次いで歯周組織や頭蓋冠へと移植した場合の分化能を検討した。神経上皮の初代培養によって得られる神経堤細胞を子宮外胎児手術法等により発生の進んだ胎児の頭蓋冠に移植し、頭蓋骨への分化を確認した。また、新生仔マウス前歯部に移植したところ、歯根膜と歯槽骨への分化を確認できた。マウスの神経上皮の初代培養による頭部神経堤細胞の増殖誘導系の開発および神経堤幹細胞で発現する遺伝子のcDNAマイクロアレイの作製では、まず、分離された頭部神経堤細胞に対し、発生過程において様々な生理活性効果をおよぼす事が知られているFGF, BMP, Shhなどの分泌タンパク質を局所的に投与し、幹細胞的性質を保持した状態での増殖誘導の条件について検討した。Shh, BMP2には増殖誘導能は観察されなかったが、FGF2, FGF18については増殖誘導能が観察された。この他のFGFファミリー蛋白質については、今後検討する余地がある。一方、マウスの神経上皮の初代培養による頭部神経堤幹細胞の分離法を用いて、神経堤幹細胞で発現する遺伝子のcDNAマイクロアレイの作製を行い、多数の遺伝子発現を同時に測定する方法を開発するための実験は、ごく微量の細胞群からmRNAを調整する方法の開発に手間取ってしまい、現在解析している。LacZ遺伝子導入成体マウスの頭蓋顎顔面領域の間葉の組織移植による頭部神経堤幹細胞の局在領域の同定実験については、マウス新生児にBrdUを長期投与し、BrdU標識の長期残存領域を解析する事により成体幹細胞の局在領域を同定した。同領域の組織片移植により多能性を確認した。
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Research Products
(6 results)