2001 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス性疾患を対象とするESRI・MRI融合型画像解析装置の開発
Project/Area Number |
13357019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20101694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 久喬 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20089923)
竹下 彰 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30038814)
小澤 俊彦 放射線医学総合研究所, 副所長 (40160858)
市川 和洋 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (10271115)
輿石 一郎 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (20170235)
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Keywords | ESRI・MRI / フリーラジカル / スピントラップ / 活性酸素 / 活性窒素 / 病態解析 / 心不全 |
Research Abstract |
ESR-CT画像に臓器のMRI画像を重畳できる融合型ESRI/MRI画像解析装置の試作を試みた。一般に、MRIではパルス法が、ESRIでは連続波法が用いられている。これはESRで対象とするフリーラジカルのスピン-スピン緩和時間が非常に短いためである。画像化法にはパルス法が有利であるが、緩和時間が短く傾斜磁場付加が困難と考えられるので連続波を用いた画像解析法を開発した。我々が開発したESRIは300MHz、10mTである。一方、診断用MRIでは200mTの外部磁場で8MHz程度の電磁波が用いられている。そこで、今回我々は、診断用MRIとESRIを併設し、同一動物個体に対してMRI画像とESRI画像を取り込み、両画像を重畳するシステムを開発した。 ESRIによる生体内フリーラジカル解析法としてスピンプローブ法が有効である。しかし、従来のスピンプローブはヒドロキシルラジカルの検出は可能であるものの、スーパーオキシドおよび一酸化窒素との直接反応は起こらないことが知られている。そこで、スーパーオキシドならびに一酸化窒素と反応しその常磁性を失うプローブとして、電子供与体とニトロキシドラジカルとの複合体を調製し、スーパーオキシドならびに一酸化窒素を検出可能なスピンプローブを開発した。 酸化ストレス性疾患として、本年度は糖尿病に伴う血管障害、消化管障害、脳虚血再灌流障害モデルに焦点を絞りフリーラジカルの産生時期ならびに産生するフリーラジカル種の特定について検討した。その結果、これらのモデルではいずれも細胞外におけるスーパーオキシドおよびそれから発生するヒドロキシルラジカルの産生が組織障害に密接に関連し、さらに、これらフリーラジカルの産生時期は組織障害に先立ち起こることが明らかとなり、組織障害の発症との関連を示唆することができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Han J-Y, Takeshita K, Ustumi H.: "Noninvasive detection of hydroxyl radical generation in lung by diesel exhaust particles"Free Rad.Biol.Med.. 30. 516-525 (2001)
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[Publications] Ide T, Tsutsui H, Hayashidani S, Kang D, Suematsu N, Nakamura K, Utsumi H, Hamasaki N, Takeshita A.: "Mitochondrial DNA damage and dysfunction associated with oxidative stress in failing hearts after myocardial infarction"Circ.Res.. 88. 529-525 (2001)
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[Publications] Tsutsui H, Ide T, Hayashidani S, Kinugawa S, Suematsu N, Utsumi H, Takeshita A.: "Effects of ACE inhibition on left ventricular failure and oxidative stress in Dahl salt-sensitive rat"J Cardiovasc Pharmacol^<TM>.. 37. 725-733 (2001)
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[Publications] Tsutsui H, Ide T, Hayashidani S, Suematsu N, Shiomi T, Wen J, Nakamura K, Ichikawa K, Utsumi H, Takeshita A.: "Enhanced generation of reactive oxygen species in the limb skeletal muscles from a murine infarct model of heart failure"Circulation. 104. 134-136 (2001)
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[Publications] Tsutsui H, Ide T, Hayashidani S Suematsu N, Utsumi H, Nakamura R, Egarashi K, Takeshita A.: "Greater susceptibility of failing cardiac myocytes to oxygen free radical-mediated injury"Cardiovasc Res.. 49. 103-109 (2001)