2002 Fiscal Year Annual Research Report
有明・八代海域における高潮ハザードマップ形成と干潟環境変化予測システムの構築
Project/Area Number |
13358005
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
滝川 清 熊本大学, 沿岸域環境科学教育研究センター, 教授 (80040450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 文彦 熊本大学, 工学部, 助教授 (60264280)
原田 浩幸 熊本大学, 工学部, 助教授 (20222234)
古川 憲治 熊本大学, 工学部, 教授 (60029296)
田中 健路 熊本大学, 工学部, 助手 (30315288)
田淵 幹修 熊本大学, 工学部, 講師 (40037966)
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Keywords | 有明・人代海の環境 / 自然環境評価 / 環境共生 / 干潟底質 / 干潟浄化機能 / 高潮・高波 / 高潮ハザードマップ / 干潟地形変化 |
Research Abstract |
1.台風に伴う高潮問題に対して、高潮と波と潮汐とを同時に考慮した数値計算手法の開発および精度の向上を行い、これを基に有明・八代海域における想定最大被害を対象として、モデル台風の選定とともに計算を実行し、最大水位、最大波高の分布を調べ、ハザードマップの資料を得た。 2.波浪との相互作用を考慮した高潮モデル:波浪が浅海域に侵入し、浅水変形を受けて波形勾配が増大してくると、風から波浪へのエネルギー伝達率も白波砕波率も増大する。これにより、波浪⇒流れへのエネルギー変換のため沿岸域での吹送流の発達率が強化される。この機構は波浪推算モデル(WAM)と海域の流れのモデル(POM)を結びつける。白波砕波エネルギー減衰率とピーク周波数の伝播速度で示される,砕波せん断応力を導入することにより、両モデルを結合することを提案した。また,上越・大潟海岸の広域海浜流の観測データの再現計算によりモデル検証を行った。さらに,波浪・高潮結合モデルを効率的に計算するため,並列計算システム(Beowulf System)を構築した。 3.熊本県白川河口域干潟の地形変動特性を把握することを目的とし,現地観測と数値シミュレーションを行った.その結果,白川河口域の干潟は,冬季に侵食、夏季に堆積傾向にある短期変動の要素があることが、固有関数解析により明らかになった。また、干潟における底泥の巻き上げ・沈降,底泥の輸送およびこれによる干潟地形変化の数値モデルを開発し,千潟地形変化のメカニズムを明らかにした. 4.緑川右岸河口沖合いに向かって0m、500m、1000m、1500m地点に定点を設け、大潮時に表層水、底層水をサンプリングして、サンプリングした海水についてそのクロロフィルaの濃度を蛍光法によって測定した。その結果、沿岸から沖合いに向かい表層水中のクロロフィルa濃度は6.7〜8.88μg/Lの範囲で大きく変化しないことが分かった。しかし、底層水のクロロフィルa濃度は0m地点で8μg/Lであるものが沖合いにいくに従い減少し、沖合い1500mでは3.8μg/Lにまで低下した。このことは、照度の高い沿岸域の底層や底泥の表面で生育した光合成プランクトンの影響を大きく受けたことを示唆している。同時に、採取した海水についてレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。その結果、試験した海水中にはいずれも0.4μm附近と8μm附沮に2つのピークがあり、8μm附近のピークが光合成プランクトンに起因するピークと思われる。平均粒径は、沿岸域から沖合いに向かって大きくなるという、興味ある結果が得られた。 5.干潟底泥の浄化能力を高めるために、耕運の試みがおこなわれるようになった。これに対して実験室的な検討をおこなって水質への寄与を明らかにすることを検討した。また、諌早湾潮受け堤防の短期開門に際して底泥の浄化能力ががどのように影響を受けるかを調べ、塩分の影響を評価した。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 滝川 清, 田中健路, 吉村祥子: "有明海の中部海域における環境変動の要因分析"海岸工学論文集. 第49巻. 1066-1070 (2002)
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[Publications] 滝川 清, 田淵幹修: "有明海の潮汐変動特性と沿岸構造物の影響"海岸工学論文集. 第49巻. 1061-1065 (2002)
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[Publications] 田中健路, 滝川 清, 川内 聡: "干潟を含む沿岸城における海陸風に関する数値実験"海岸工学論文集. 第49巻. 1251-1255 (2002)
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[Publications] 滝川 清, 田淵幹修, 田中健路: "有明海の潮流と物質輸送特性について"海と空. 第78巻2号. 29-32 (2002)
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[Publications] 原田博幸, 滝川 清: "有明海干潟底泥の水質浄化能力と物理的かく乱による能力強化に関する研究"海岸工学論文集. 第49巻. 1121-1125 (2002)
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[Publications] 西岡律恵, 滝川 清, 田中健路: "有明海の海域環境変動特性に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集 第III部門. III-60 (2003)
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[Publications] 渡辺枢, 滝川清, 青山千春, 田中健路: "σ座標系3次元流動モデルの有明海への適用に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II-2 (2003)
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[Publications] 壱岐智成, 滝川清, 田中健路: "多層3次元流動モデルの有明海海域への適用に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II-3 (2003)
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[Publications] 成松明, 滝川清, 田中健路: "有明海とその周辺域における気候変動特性に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II-12 (2003)
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[Publications] 長峰祐樹, 滝川清, 田中健路: "有明海干潟の改善方策に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II-13 (2003)
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[Publications] 中道誠, 滝川清: "白川河口域干潟の地形変動の特性と要因分析"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II-22 (2003)
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[Publications] 山口英司, 滝川清, 田淵幹修, 田中健路: "有明・人代海沿岸の高潮ハザードマップ形成に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II-39 (2003)
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[Publications] 柳田弘一, 滝川清, 田淵幹修, 田中健路: "有明・八代海の流動特性に関する研究"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第II部門. II. 19 (2003)
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[Publications] 馬場康之, 加藤 茂, 山下隆男: "冬季季節風による広域海浜流-上越・大潟海岸を例として-(現地観測結果)"海と空. 第78巻2号. 59-66 (2002)
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[Publications] 加藤 茂, 馬場康之, 山下隆男: "冬季季節風による広域海浜流-上越・大潟海岸を例として-(広域海浜流の数値モデルとしれによる再現計算)"海と空. 第78巻2号. 67-72 (2002)
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[Publications] 山下隆男: "沿岸海洋における風による海水流動"海と空. 第78巻2号. 85-91 (2002)
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[Publications] K.-O.Kim, T.Yamashita: "Tidal Simulation in Ariake Sea by Parallelized Ocean Model"Abstracts of PACON 2002. 101 (2002)
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[Publications] 原田浩幸, 滝川清: "有明海干潟底泥浄化能力評価に関する研究"Journal of ecotechnology research. Vol.8(2). 154-155 (2002)
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[Publications] 原田浩幸, 林泰弘, 滝川清: "干潟底泥浄化能力に及ぼす塩分濃度の影響"平成14年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集第. VII-40 (2003)