2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国四川省石窟摩崖造像群に関する記録手法の研究及びデジタルアーカイヴ構築
Project/Area Number |
13371002
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
肥田 路美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00318718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 隆史 早稲田大学, 国際情報通信研究科, 助教授 (90308221)
金子 典正 早稲田大学, 文学学術院, 講師
村松 哲文 早稲田大学, 文学学術院, 講師
山田 磯夫 横浜美術短期大学, 造形美術科, 助教授 (20310443)
濱田 瑞美 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (30367148)
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Keywords | 美術史 / 中国 / 仏教 / 石窟考古 / 文化財 / 三次元計測 / 四川 |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年度は、3年間にわたって四川大学芸術学院・成都市文物考古研究所とともに摩崖造像の悉皆調査をおこなってきた四川省キョウライ市・蒲江県の現地での最終的な調査と、取得資料のデータ化に関する諸問題の解決、そして取得資料にもとづいた美術史学的研究を実施した。現地調査については9月に、上記の共同研究機関と合同でこれまでに取得したすべての記録調書・法量計測値について再度現場で一件ずつ遺漏や訂正の有無を最終確認し、拓本・実測図・写真の追加と碑文類の翻刻をおこなった。将来にわたっての研究や保存活動の基盤になる第一次資料の集成を高い精度で完成させるため、慎重を期したものである。日本側参加者は6名(研究協力者を含む)、中国側は7名であった。 デジタルアーカイヴでの公開を前提としたデータ化については、日中の調書の用語や構成の慣習的な相違をいかにすり合せるかをはじめ、特にキョウライ地区の摩崖遺跡に特徴的な、多様なモティーフと複雑な構成からなる変相図形式の仏龕の記録方法について模索試行を重ねた。後者については、一点透視図的模式図の併用の有効性を確認するに至った。3Dデジタル撮影による仏龕の三次元データの取得と利用については、8月に河南省洛陽市で開催された2004年龍門石窟国際学術研討会において公開デモンストレイションを行い、内外の石窟考古関係研究者らの関心を集め有益な助言を得た。美術史学的研究では当該調査地区のデータをもとに中央と周縁地域の関係性の解明を課題とし、成都と周縁地域であるキョウライ・蒲江、中原と四川地域についていくつかの図像・主題によって論じ、成果の一端を2月にシンポジウム「四川盆地中西部の石刻芸術-キョウライ地区摩崖造像調査報告」を開催して報告した。
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Research Products
(6 results)