2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13375001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小笠原 憲四郎 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20110653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徳行 北海道大学, 大学院・地球惑星物質科学研究科, 教授 (00144692)
本山 功 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80295295)
久田 健一郎 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (50156585)
長谷川 四郎 熊本大学, 理学部, 教授 (90142918)
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Keywords | カムチャッカ半島 / 新生代 / 古環境 / カブラン地域 / カケルト層 / エトロン層 / 貝類化石 / 微化石 |
Research Abstract |
平成14年度の現地調査は、2002年7月28日から8月25日の間、カムチャッカ半島中央部西岸のカブラン地域で実施した。調査参加者は小笠原・久田・本山の3名、海外共同研究者として科学アカデミー(モスクワ)からY. Gladenkov, K. Barinov, A. Gladenkovと現地ガイド役のV. Sinelinikova博士の4名の合計7名であった。現地宿泊は、カブラン村長宅に賄い付きで分居借用した。調査は毎日運転手付トラクターかトラックを借り上げ、ヒグマ対策でハンターを雇用し、宿泊地からカブラン村近傍40km以内の地域を移動しながら実施した。調査対象は古第三系のアマミン、ガクヒン、ウトロック、ヴィヴィンテック層、新第三系のカケルト、エトロン、エルマン、エネンテルン層など全層厚約1500mである。調査ルートは、カケルト村から北のオホーツク海沿岸南北40kmにわたる海岸崖を中心にし、さらにカブラン川、ヘイスリー川沿いなど東西数キロ間でも実施した。調査はルートマップと100分の1の地質柱状図を作成し、これらに各種の分析用資料産地・層準等を記入しながら、分担して系統的な資料採集を行った。資料はロシア側と共通して検証可能なように採集し、貝類化石、珪藻・有孔虫・放散虫などめ微化石や地球化学分析用など約250地点で、その総重量は100Kgを越えた。これらのサンプルの日本への持ち出し許可は大変困難な状況であったが、ペテロパブロフスキー・カムチャッカのロシア科学アカデミー火山研究所の研究者に絶大な助力を願い、到着までに4ヶ月を要したが、新潟空港経由で手元に到着した。これらの資料は分担者や研究協力者に配布して、各種の検討を実施する段階で、今後これらの分析研究等を進め年代を精度よく決定し、地域間対比や古環境解析などを行う。さらにこれらの成果を踏まえ、カムチャッカとサハリンや北海道との対比などを進め、北太平洋地域の新生代古環境変遷を解明する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kafanov, A.I.: "Neogene and Paleogene Molluscan (Bivalvia) Cenozones of Sakhalin and Kuril lslands"Science Reports of the Institute of Geoscience, Uni. Tsukuba Sec. B. 24巻. 45-79 (2003)
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[Publications] Ogasawara, K.: "Short-term early Miocene Climatic fluctuations in the Iapanese Islands"Proc. 8th Intern. Cong. Pacific Neogene Stratigraphy, Chiang Mai, 3-9 Fcb., 2003. 181-190 (2003)
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[Publications] Ogasawara, K.: "Cenozoic Gastropoda In Ikeya etal eds, The database of Japaneese fossil type specimens"Special Papers of the Palaeontological Society of Japan. No.40. 304-551 (2002)
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[Publications] Kano, K: "An unconformity in the early Miocene syn-rifting succession, northern Noto Peninsula, Japan : Evidnce for short-team uplifting precedent to the rapid opering of the Japan Sea"The Island Arc. 11巻. 170-184 (2002)
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[Publications] Hisada, K: "Minokuchi Formation-a newly proposed component of the Kurosegawa Belt in the Kanto Mountains, central Japan"Annual Report of Institute of Geoscience, the University of Tsukuba. No.28. 35-39 (2002)
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[Publications] 本山 功: "北海道稚内市宇流谷川における中新充増幌層と稚内層の放散虫化石層序と不整合境界の再認定"地質学雑誌. 108巻4号. 219-234 (2002)