2003 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアでの持続的生物資源生産管理システム構築のための実証的・生態環境学的調査
Project/Area Number |
13375007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯山 賢治 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (60012077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 啓映子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40322044)
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
宝月 岱造 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10107170)
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Keywords | 東アジア地域 / 環境破壊 / 持続的生物生産 / 持続的生物資源管理システム / 地域環境 / 環境、生態の再生修復技術 / 気候温暖化防止 / 中国北部の塩集積土壌、アルカリ土壌 |
Research Abstract |
東アジアで系統的に進められている持続的生物資源管理システム構築に関する研究とリンクして、森林、土地、陸水および沿岸域にわたる地域環境、生態の現状を総合的に把握し、地域に適合した持続的生物資源管理システムおよび地域に適応した環境、生態の再生修復技術の実証的調査を行った。地球環境保全への熱帯林の役割を定量的に把握するために炭素、窒素等物質フローを解明するとともに、地域の実態に適応した熱帯林再生技術の実証的調査を行う。マレー半島・ベトナム南部およびカリマンタン島にひろがる熱帯酸性湿地、中国北部の土壌の塩類集積土壌、強アルカリ土壌(pH10以上)さらに砂漠の拡大等、不毛の地が広がりつつある。それら劣悪地での実態を科学的に把握し、これまでの創成的基礎研究で明らかにされてきている耐性植物の効率的植生とそれらの活用技術に関する実証的調査を行ってきた。具体的には、 (1)タイ南部の熱帯湿地に設定した強度酸性土壌植生用造林試験地での環境測定を継続するとともに、現地での熱帯樹木の種子収集と苗木づくりを行った。 (2)タイ南部の熱帯泥炭原生湿地及び保存林湿地水中の可溶性有機物及び底質堆積物中の有機物を単離し、植物細胞壁化学的分析により組成及び化学構造を解析するとともに、分子量分布、可溶化機構及び土壌・海水中の種々の陽イオンとのキレート能など物理化学的性状を検討した。 (3)可溶性有機物及び底質堆積物中のリグニンを、種々の触媒(海水中の陽イオン等)存在下で亜臨界〜超臨界反応させ、生成物の検索を行った。 (4)中国東北部のアルカリ土壌での植生を調査すると共に、植物遺体を用いた修復技術の開発を開始した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Lam, T.B.T., Iiyama, K., Stone, B.A.: "Hot alkali-labile linkages in the walls of the forage grass Phalaris aquatica and Lolium perenne and their relation to in vitro wall digestibility."Phytochemistry. 64. 603-607 (2003)
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[Publications] Jin, Z., Akiyama, T., Chung, B.Y., Matsumoto, Y., Iiyama, K., Watanabe, S.: "Changes in lignin content of leaf litters during mulching."Phytochemistry. 64. 1023-1031 (2003)
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[Publications] 飯山賢治: "未利用資源の再発見"科学. 73. 789-790 (2003)
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[Publications] Iiyama, K.: "Biological resources in village life.""Satoyama. The Traditional Rural Landscape of Japan". (Takeuchi, K., Brown, R.D., Washitani, I., Tsunekawa, A.and Yokohari, M. eds.). Springer, Tokyo. 149-172 (2003)
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[Publications] Chung, B.Y., Iiyama, K., Han, K.W.: "Compositional characterization of cacao (Theobroma cacao L.) hull."Agric.Chem.Biotechnol.. 46. 12-16 (2003)
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[Publications] Lam, T.B.T., Hori, K., Iiyama, K.: "Structural characteristics of cell walls composition of kenaf (Hibiscus cannabinus L.) and fixation of carbon dioxide."J.Wood Sci.. 49. 255-261 (2003)
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[Publications] Chung, B.Y., Iiyama, K.: "Differences in chemical constituents between vascular bundles and nonvascular bundles of cacao (Theobroma cacao L.) hulls."J.Wood Sci.. 49. 176-180 (2003)