2003 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀日本の重要課題の総合的把握を目指す社会哲学的研究
Project/Area Number |
13410004
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
加茂 直樹 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (10027691)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 聡 京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (30329932)
粟屋 剛 岡山大学, 医歯学総合研究科, 教授 (20151194)
安彦 一恵 滋賀大学, 教育学部, 教授 (20135461)
平川 秀幸 京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (50329934)
樫 則章 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40194766)
|
Keywords | 現代社会 / 自由 / 公共性 / 医療 / 環境 / 福祉 / 科学技術 / 国家 |
Research Abstract |
本共同研究も最終の3年目を迎え、研究分担者18名以外に自発的な研究協力者70余名の参加を得て、共同研究の総括をめざして活動した。今年度は、全体会が3回、分科会が4回、特別研究会が2回開かれた。最終報告書を兼ねて『社会哲学研究資料集III』(A4版、全260ページ)も刊行された。これには研究会報告要旨30編、論文13編、文献紹介5編が収められている。 研究活動の内容を見ると、研究会には多方面の専門家を迎え、学際的な論議を繰り広げることができた。昨年秋には、研究の総括と論文集『公共性の哲学を学ぶ人のために』(本年5月刊行予定)の完成に向けて、30数名が参加して、2泊3日の研究会を開催した。『資料集III』所収の論文のテーマは、戦争やテロリズム、予防原則、動物愛護運動、政治、教育、環境、医療など、きわめて多岐にわたっている。問題は、旧来の哲学・倫理学の枠を越えて拡散してしまったわれわれの関心領域を改めて総合的に把握し、21世紀社会の全体像にどれだけ迫っていくことができたかである。 これは、言うまでもなく、難しい課題であるが、少なくとも現代社会の総合的把握の基盤作りはできてきたと自ら評価している。現今の状況を見ると、社会はますます混迷の度を強めているように思われる。私たちの共同研究は、困難であるにしても、それだけ追求する価値のあるものになってくると確信し、新たな構想の下に、研究の継続を図る予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 加茂直樹: "現代社会の総合的把握について(その3)"社会哲学研究資料集III. III. 4-13 (2004)
-
[Publications] 江口聡: "フリーソフトウェア運動の倫理的含意"情報倫理の構築. 第9章. 243-272 (2003)
-
[Publications] 安彦一恵: "環境問題解決における「経済」と「倫理」(2.完)"滋賀大学教育学部紀要I:人文科学・社会科学. 第52号. 47-61 (2004)
-
[Publications] 丸山徳次: "「環境の豊かさ」を求めて-モデルとしての「里山」"人間会議. 冬号. 204-207 (2003)
-
[Publications] 中岡成文: "<権力の力>としての権利-ヘーゲルのRecht論に寄せて"倫理学研究(関西倫理学会). 第33集. 31-44 (2003)
-
[Publications] 安彦一恵, 谷本光男編: "公共哲学を学ぶ人のために"世界思想社. (2004)