2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13410006
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
井上 克人 関西大学, 文学部, 教授 (30184740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 公成 駒澤短期大学, 仏教科, 教授 (10176133)
吾妻 重二 関西大学, 文学部, 教授 (20192982)
丹治 昭義 関西大学, 文学部, 教授 (00067555)
木村 宣彰 大谷大学, 文学部, 教授 (80103117)
|
Keywords | 『大乗起信論義起』 / 華厳教学 / 法蔵 / 体と用 / 一乗思想 / 解釈分(げしゃくぶん) |
Research Abstract |
I 法蔵『大乗起信論義記』研究 本年度も、昨年に引き続き、隔月に一回の割合で定期的に研究会を実施してきた。本年度は、「解釈分」の訳注作成を行った。昨年と同様、笠間龍跳『冠註大乗起信論義記』五巻(東京森江書店、明治22年刊)、佐伯旭雅『冠導増補大乗起信論義記』五巻(京都法蔵館、明治26年刊)、山本儼識『冠導傍註大乗起信論義記』五巻(京都澤田文栄堂、明治27年刊)を逐一参照しながら、『義記』のテクスト本文や、今挙げた冠導本に引照される各種仏典、経典、論書を原テクストとつき合わせ、場合によればサンスクリット原典にまで遡り、出来る限り正確な註釈と、的確な読み下し文を作成してきた(丹治・吾妻・木村・井上)。 資料調査として、立正大学、大正大学、駒沢大学の各図書館、および国会図書館等に赴き、文献の照合に努めた。また、調査によって得た重要資料については逐一整理し、保存に努めた。また、東京在住の研究者と数度に渉って意見交換も行った。 II 実証的研究 本年度のフィールド・ワークとして、8月19日〜9月2日まで、大同の上・下華厳寺、雲崗石窟の調査を皮切りに、仏教聖地である五台山の各寺院の見学・調査、太原にある浄土宗発祥の地、玄中寺および崇善寺を調査。その後、敦煌の莫高窟見学をはじめ、トルファン、クチャ、高昌故城など、玄奘三蔵のゆかりの地、そして西安では、鳩摩羅什がサンスクリット仏典を漢訳した寺院として夙に知られる草堂寺を訪問し、中国仏教が成立してくる課程とその形跡を、その風土性との関連から調査できた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 井上克人, 丹治昭義, 吾妻重二: "『大乗起信論義起』研究(四)"関西大学東西学術研究所紀要. 36輯(印刷中). (2003)
-
[Publications] 丹治 昭義: "増益について-佛の沈黙と教説の関係をめぐって-"『哲学』〔関西大学哲学会編〕. 22号. 9-37 (2003)
-
[Publications] 井上 克人: "<時>と<鏡>-道元・西田・ハイデガーの思索をめぐって-"『哲学』〔関西大学哲学会編〕. 22号. 39-74 (2003)
-
[Publications] 井上 克人: "関西大学東西学術研究所研究叢刊二十『露現と覆蔵-現象学から宗教哲学へ』"関西大学出版部. 369 (2003)