心理主義時代における宗教と心理療法の内在的関係に関する宗教哲学的研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13410010
• Research Institution: Osaka Kyoiku University
• Principal Investigator: 岩田 文昭 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00263351)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 安藤 泰至 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70283992) ; 垂谷 茂弘 舞鶴工業高等専門学校, 人文学科, 助教授 (10236771) ; 吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, 人文学科, 講師 (90271600) ; 安藤 恵崇 高知大学, 人文学部, 助教授 (50274353)
• Keywords: 心理療法 / 霊性 / いのち教育 / ホスピス / キャンベル / 神智学 / 転移

Research Abstract

五人の研究分担者の共同研究としては、1)心理療法の現場から五人の講師を招き、共同研究会を行った。柏木哲夫(ホスピス医療)・三木善彦(内観療法)・浅井雅志(グルジェフワーク)・羽田ひづる(スクールカウンセラー)・岡留美子(精神科医)である。2)生駒山に赴き、三木英氏のレクチャーを受けながら、滝道場などの調査を行った。3)科研分担者(安藤恵崇)・協力者(松田美佳・脇坂真弥)三名による研究発表会を行った。これらの研究は、次年度以降に作成される論文・著作の基盤となるものである。
岩田文昭は上越教育大学の「いのち教育」研修、淀川キリスト教病院現地調査、ロンドンのChild line現地調査などを行った。その成果の一部は『大阪教育大学紀要第51巻』(平成14年8月発行予定)で発表される。吉永進一は合衆国で心理療法的宗教運動の遡源であるニューソートなどの文献収集・現地調査を行った。この成果の一部は平成13年9月の日本宗教学会第60回学術大会や『舞鶴高専紀要』37号(平成14年3月発行予定)で公表されている。垂谷茂弘は、医学的心理学と宗教との関係の歴史、さらにそれとユング思想への関係を考察した。この成果の部は日本宗教学会や『宗教哲学研究』19号(平成14年3月発行予定)で公表されている。安藤泰至は、妊娠・出産をめぐる生命倫理問題におけるスピリチュアリティの探求を行った。その成果の部は、日本宗教学会、日本生命倫理学会、「東洋思想と心理療法」研究会で口頭発表され、『医学哲学・医学倫理』第19号に論文を発表した。安藤恵崇はジョーゼフ・キャンベルの宗教心理学的神話学を媒介にして、宗教哲学的な超越の問題を心理的変容の過程として探求する可能性について考察した。

Research Products

• [Publications] 吉永進一: "神智学と日本宗教(日本宗教学会第60回学術大会研究発表要旨)"宗教研究. 331. (2002)
• [Publications] 吉永進一: "神智学と日本の霊的思想"舞鶴高専紀要. 18. (2002)
• [Publications] 垂谷茂弘: "ユングの転移観における宗教性(日本宗教学会第60回学術大会研究発表要旨)"宗教研究. 331. (2002)
• [Publications] 垂谷茂弘: "ユングの転移観における宗教的次元"宗教哲学研究. 19. 29-43 (2002)
• [Publications] 安藤泰至: "いのちの始まりとスピリチュアリティ(日本宗教学会第60回学術大会研究発表要旨)"宗教研究. 331. (2002)
• [Publications] 安藤泰至: "人間の生における「尊厳」概念の再考"医学哲学・医学倫理. 19. 16-30 (2001)