2001 Fiscal Year Annual Research Report
教師のワークストレスと健康支援:フィールド介入研究
Project/Area Number |
13410028
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
津田 彰 久留米大学, 文学部, 教授 (40150817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 潤平 別府大学, 短期大学部, 講師 (30342421)
山田 茂人 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (20158190)
津田 茂子 久留米大学, 医学部, 講師 (20197700)
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Keywords | ワークストレス / 健康支援 / フィールド介入研究 / 突発的危機的事件 / アクションリサーチ / 緊急支援 / 急性ストレス反応 / GHQ(精神健康調査) |
Research Abstract |
日常の教科活動と生徒指導とのかかわりの中で生じる量的負担と質的負担といった、いわゆる教師のワークストレスの問題は、学校で起こる突発的危機的事件(たとえば、児童生徒の自殺、犯罪事件、事故など、)と相まって、その対応策が求められている。 そこで、本研究では、突発的危機的事件が発生した学校への緊急支援が、教師の心身にどのような効果をもたらすのか、GHQ-28質問紙を用いて、半年間にわたってフォローアップした。また、事件発生後のこれら急性ストレス反応の推移と事件を体験しない学校の教師のワークストレスとの比較した。本研究では,教師の健康支援を目的に、学校のフィールドに介入し、教師のストレス軽減を試みるというアクションリサーチの方法論を採用した。 調査対象者は、緊急支援の対象となった2つの小学校教師45名と高校教師73名、突発的危機的事件の発生がない小学校教師38名。生徒の自殺が起こった後及び校外学習中の自動車事故により、児童が死亡、教師が負傷する事件あるいは児童同士の傷害事件の後、学校に出向いて、教師への緊急支援を行なうとともに、GHQ(精神健康調査)によるストレス反応を経時的に半年間にわたって評価した。 突発的危機的事件後の小学校教師の急性ストレス反応は、約3ヵ月後に収束する傾向にあった。いっぽう、高校教師の反応は半月後には、正常範囲に戻った。日常のストレス反応は、高校教師よりも小学校教師で高かった。今回調査した突発的危機的事件を体験しない小学校教師のストレス反応は、そのような事件を体験し、緊急支援を受けた教師よりも高く、教師のワークストレスの程度は、事件にかかわらず、日常的に高いことが伺われた。 教師への健康支援のプログラムの必要性が示唆される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] YAJIMA, J., TSUDA, A.: "Determination of saliva free-3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol in norml volunteers using gas chromatography mass spectrometry"Biobenic Amines. 16. 173-183 (2001)
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[Publications] 宅島 章, 津田 章: "高専新入寮生のストレス反応に関する研究"高専教育. 24. 405-410 (2001)
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[Publications] 津田 彰, 牧田 潔, 津田茂子: "ストレスはどのように健康を左右するのか:その心理社会生物学的メカニズム"行動医学研究. 2. 13-19 (2001)
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[Publications] 津田 彰, 羽山順子, 津田茂子: "行動科学と予防的健康医学との連携と展開:Overview"Behavioral Science Research. 1. 9-18 (2001)
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[Publications] 津田 章, 津田茂子: "教育現場のための健康教育"子どもの健康科学 第2巻. 1. 8-17 (2001)
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[Publications] 津田 彰, 岡村尚昌, 永冨香織, 津田茂子: "心理的ストレス研究の最近の動向"ストレス科学. 1. 3-15 (2001)