2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13410028
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Research Institution | KURUME University |
Principal Investigator |
津田 彰 久留米大学, 文学部, 教授 (40150817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 茂人 佐賀大学, 医学部・精神医学教室, 教授 (20158190)
津田 茂子 呉大学, 看護学部大学, 教授 (20197700)
福山 裕夫 久留米大学, 文学部, 助教授 (30281538)
矢島 潤平 別府大学, 文学部・人間関係学科, 講師 (30342421)
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Keywords | ワークストレス / 教師 / 健康支援 / GHQ-28 / 急性ストレスレ反応 / 突発的・危機的重大事故・事件 / メンタルヘリス / フィールド研究 |
Research Abstract |
最終年度ということで、これまでの研究活動を総括した。福岡県臨床心理士会と連携し、福岡県内の小・中・高等学校にとって危機的な出来事が発生したとき、緊急支援プログラムを立ち上げ、教師のメンタルヘルスを客観的に評価するとともに、サポートシステムの構築を目指した結果、以下に示すような知見が得られた。 調査対象となった学校は、11校である。小学校は6校、中学校は3校、高校は2校であった。調査対象となった教師の人数は273名(男性135名、女性139名)、平均年齢は42.2歳、平均勤務年数は19.3年であった。 緊急支援実施2週間、3ヶ月、6ヶ月後のメンタルヘルスについて、GHQ-28を用いて測定した。身体的症状、不安と不眠、社会的活動障害などすべての下位尺度得点は、2週間から3ヶ月後にかけて有意に減少し、6ヶ月後以内に収束した。3ヶ月から6ヶ月後にかけてのメンタルヘルスにはとくに顕著な差はなかった。危機的な重大事故を体験したが、緊急支援プログラム実施を立ち上げなかったある小学校と比較した。GHQ-28の抑うつ得点は緊急支援を実施しなかった小学校で6ヶ月後のフォローアップの時点で、有意に高かった。 以上より、緊急支援を実施した学校の教職員のメンタルヘルスは、全体的にうつ傾向が一貫して低く抑えられ、かつ事件・事故2週間後に認められる不眠や不安をはじめとする強い急性ストレス反応の発現が緊急支援後3ヶ月後には明らかに改善されていることがわかる。 教師は日常の慢性的なワークストレスに加え、突発的に生じる危機的な事件・事故によって急性的に引き起こされるストレス反応によるリスクを潜在的に抱える職業集団として認識することの重要性と健康支援の必要性が明らかとなるとともに、緊急支援システムの有用性が実証された。
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Research Products
(7 results)