2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13410037
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松田 文子 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50118048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中條 和光 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90197632)
宮谷 真人 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90200188)
利島 保 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20033566)
河原 純一郎 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (30322241)
湯澤 正通 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10253238)
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Keywords | 科学的知識 / 時間,距離,速さの理解 / 作業記憶 / 注意配分 / 潜在知覚学習 |
Research Abstract |
1.科学的知識の獲得と変容(時間,距離,速さの関係)時間,距離,速さの関係についての知識構造の発達過程を文章題などを用いて,小学校高学年の児童を対象に調べた.また,時間に関する知識を用いて,大学生がどのように問題解決のためのプランニングをするか,知識構造の精緻化とより効果的なプランニングのために,話し合いがどの程度効果的かを調べた.さらに,大学生について,時間の知識を用いての問題解決のプランニングの個人差について,学習効果の個人差,短期記憶や作動記憶の個人差との関係から実験中である. 2.科学的知識の理解(運動とエネルギー)中学校3年生が理科の「運動とエネルギー」(速さの変わる運動)の授業を受けた後,瞬間の速さと平均の速さ,および力と速さの関係についての科学的知識がどのように構成されるのかを調べた.その際,物体に加える力と速さの関係に関する教授方法2通り設定した.すなわち,実験を通して関係性を帰納するクラスと,関係性を最初に教示し,それを応用する課題として実験を行うクラスとを比較した.授業の課題解決の中で,異なった解決方略やメタ認知を利用することで,運動に関する生徒の既有知識が変容し,力と速さの関係が理解されることが分析された. 3.文章理解と作業記憶(眼球運動とリーディングスパンテスト)大学生でリーディングスパンを測定し,文章理解の推移に伴って,スパンの大小によって眼球運動の特性が変化するかどうかを調べた.スパンが大きい読み手は一貫して200ms〜500msの停留の頻度が高かったのに対し,スパンの小さい読み手では文章中間部で50ms〜200msという短い停留の頻度が高いことが見いだされた. 4.位置の記憶に及ぼす注意配分の効果(潜在知覚学習)空間内に分散した複数の対象が置かれている位置を潜在的に記憶する能力を,視覚探索課題を用いて検討した.探索する空間が奥行き構造を持つとき,被験者は,この奥行き構造を保った潜在記憶表象を形成することができた.この潜在知覚学習に及ぼす注意配分の効果に関する実験を継続中である.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Matsuda, F.: "Development of concepts of interrelationships among duration, distance, and speed"International Journal of Behavioral Development. 25. 466-480 (2001)
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[Publications] 森田愛子: "小学5, 6,年生における時間,距離,速さの概念理解"広島大学大学院教育学研究科紀要第3部. 50. 419-428 (2001)
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[Publications] Kawahara, J.: "The effect of voluntary and involuntary cueing of attention on feature integration"Journal of General Psychology. 128. 57-75 (2001)
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[Publications] Kawahara, J.: "Attentional requirements in visual detection and identification : Evidence from the attentional blink"Journal of Experimental Psychology : Human Perception and Performance. 27. 969-984 (2001)
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[Publications] Kawahara, J.: "Preattentive perception of multiple illusory line motion : A formal model of parallel independent-detection in visual search"Journal of General Psychology. 128. 357-383 (2001)
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[Publications] Kawahara, J.: "Facilitation of local information processing in the attentional blink as indexed by shooting line illusion"Psychological Research. (in press).
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[Publications] Enns, J. T.: "Visual Masking and Task Switching in the Attentional Blink. In K. Shhapiro(Ed.), The limits of attention : Temporal constraints on human information processing"Oxford University press. 249 (2001)