2001 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀における戦争とメディア―両世界大戦期の情報文化に関する歴史社会学的研究―
Project/Area Number |
13410047
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉見 俊哉 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (40201040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 博 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (60246650)
水越 伸 東京大学, 社会情報研究所, 助教授 (60219623)
姜 尚中 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (10204794)
アーロン ジェロー 横浜国立大学, 留学生センター, 助教授 (80293182)
岩崎 稔 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10201948)
|
Keywords | 戦争 / プロパガンダ / メディア / ポスター / 内閣情報部 / 第一次世界大戦 / 満州 / フィリピン |
Research Abstract |
本年度を通じ、本研究では20世紀における戦争宣伝とメディアの表象に関し、関係する多くの分野の研究者が会合を重ねながら考察を深めてきた。とくに、東大社会情報研究所が所蔵する第一次世界大戦の戦時宣伝ポスターと内閣情報部が満州及びフィリピンで使用した宣伝資料に関し、大学院生たちの特別チームを編成し、専門家の助言のもとで画像データベース化の作業を集中的に進めた。まず、それぞれの資料のいくつかの基本項目についてデータを入力し、資料全体の内容を明らかにした。その上で、第一次大戦期のポスターに関しては、画像のデジタル化とともに、各資料の寸法、印刷形式、印刷会社、作者、推定発行年、色彩、文字テキストなどについての情報を入力した。内閣情報部の資料に関しては、以上に加えてとくに中国語で書かれている資料について翻訳作業を進め、ほぼ文字テキスト部分の日本語への翻訳は終了することができた。さらに、杜会情報研究所以外で所蔵されているこれらに関係する資料についての調査を進め、今後の調査のための一応の見通しを立てることができた。これらの成果は、来年度の比較的早い段階で、部分的にインターネットを通じて公開していく予定である。他方、より広く20世紀の戦争宣伝とメディアの表象に関しては、各方面から講師を招いて研究会での討論を重ねてきた。とくにこれまで研究会で取り上げたテーマには、「戦時期の出版状況」「戦争とマンガ」「戦時暴力とメディアの表象」「フィリピンにおける占領とプロパガンダ」などが含まれる。これらの作業を踏まえ、平成14年3月25〜27日に日仏会館で開催される国際シンポジウム「集中討議:戦争とメディア」に、本プロジェクトとしても全面的に協力し、また成果の一部をシンポジウム会場において公開することになっている。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 吉見俊哉: "『アメリカ』を欲望/忘却する戦後"現代思想. 29巻9号. 44-63 (2001)
-
[Publications] 吉見俊哉: "グローバル化と脱-配置される空間"思想. 933号. 45-70 (2002)
-
[Publications] 吉見俊哉: "杜会情報研究所図書室所蔵かわら版・新聞錦絵及びプロパガンダ関係資料のデータベース化について"図書館の窓. 41巻1号. 1-5 (2002)
-
[Publications] YOSHIMI Shunya: "Japanese Colonialism:introduction"Inter-Asia Cultural Studies. Vol.2 No.3. 421-422 (2001)
-
[Publications] Eikoh Ikui: "Reprogramming Memories: The Histricization of the Vietnam War from the 1970s through the 1990s"The Japanese Journal of American Studies (Journal of American Studies Association in Japan). No.12. (2001)
-
[Publications] 木下直之: "戦争博物館のはじまり"近代日本の文化史. 第4巻. 115-146 (2002)
-
[Publications] 吉見俊哉: "一九三〇年代のメデイアと身体"青弓社. 255 (2002)