後期高齢者の健康および保健福祉サービス利用の階層差

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13410071
• Research Institution: Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
• Principal Investigator: 杉澤 秀博 (財)東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 主任研究員 (60201571)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 金 恵京 (財)東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究員 (10312290) ; 深谷 太郎 (財)東京都老人総合研究所, 政策科学部門, 研究助手 (80312289) ; 中谷 陽明 日本女子大学, 人間社会部, 助教授 (00198128) ; 杉原 陽子 (財)東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究助手 (80311405)
• Keywords: 階層差 / 後期高齢者 / 健康度 / 保健福祉サービス / 社会的・心理的危険要因

Research Abstract

1.初回調査データの解析
後期高齢者の健康度の階層差(収入、学歴)が存在しているのか、もし存在しているとすればそれは階層によって健康に関する社会的・心理的危険要因の分布の違いによって説明できるのかを、平成11年に実施した既存のパネルデータ(初回調査)を用いて解析した。健康度の指標としては、日常生活動作障害、うつの可能性のある人の割合、認知障害の3種類を用いた。分析の結果、(1)日常生活動作障害については階層差が存在しており、その階層差は健康に関連する社会的・心理的な危険要因の分布の違いによって説明されること、(2)認知障害については階層差が存在していたものの、その階層差は健康に関する社会的・心理的危険要因の分布の違いによって説明されないこと、(3)うつの可能性については階層差そのものが存在しないこと、などが明らかとなった。
2.縦断調査の準備
1)対象者名簿の整理
平成14年度実施の第1回追跡調査の実施にむけて、対象者名簿の整理を行った。
2)対象者へのパンフレットの作成・送付
追跡調査の追跡率を高めるために、初回調査の主要な結果をトピックとして取りまとめたパンフレットを作成し、対象者に送付した。
3)初回調査の調査票の修正
(1)階層指標(収入、学歴、最長職、資産)、(2)健康度(有病、日常生活動作、精神健康)、(3)保健福祉サービスの利用、(4)健康への社会・心理的な危険要因(ライフスタイル、サポート、ネットワーク、コントロール感)といった、初回調査に位置づけた調査項目の、信頼性、妥当性を検討した。