2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本における文化人類学教育の再検討:新たな社会的ニーズのなかで
Project/Area Number |
13410094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晋司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60117728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 克己 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (40094156)
桑山 敬己 創価大学, 文学部, 教授 (50288057)
イーズ ジェレミー 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (80232106)
船曳 建夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90165457)
波平 恵美子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (00109216)
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Keywords | 文化人類学 / 教育 / 社会的ニーズ / グローバル化 / 国際研究者交流 / アメリカ合衆国:韓国 |
Research Abstract |
今年度は、研究の2年目で、6回の研究打ち合わせ会をもった。第1回研究会(2002年5月11日)では、14年度の研究計画を確定し、新たに加わった大森が文化人類学における視聴覚教育の役割に関する発表を行った。第2回研究会(6月2日)は、金沢大学での日本民族学会研究大会・分科会「文化人類学の未来」と合流して、山下の司会のもとに、桑山、船曳、日野、波平、田村が研究成果を発表した。第3回研究会(7月6日)では、「文化人類学の古典的研究と現代的課題をつなぐ試み1」として、大塚が部族を、田中が妖術と邪術を例に発表した。第4回研究会(10月26日)では、米国ニューオリンズでのアメリカ人類学会に向けて、山下、イーズ、桑山、竹沢が論文を発表した。第5回研究会(12月14日)では、「文化人類学の古典的研究と現代的課題をつなぐ試み2」として、白石が子供を、中村が自らの授業実践を例に発表した。第6回研究会(2月1日)では、研究成果報告書と研究成果の刊行について全員で討議した。 研究打ち合わせ会以外にも、7月21日に京都大学客員教授として来日中だったヤン・ファン・ブレーメン(ライデン大学日本研究センター)を招いて講演会を開いた。また、米国ニューオリンズでの第101回アメリカ人類学会年次会(11月20-24日)では、イーズの司会のもとに分科会"The Reproduction of Anthropological Knowledge and the East Asian Future"をもち、山下、桑山、竹沢が研究成果を発表した。さらに、桑山は2003年3月に韓国で資料収集を行った。 以上の研究活動を通し、今日の日本の文化人類学教育の問題点を明らかにし、今後の取るべき方向性を明らかにすることができた。今年度は最終年であるため、その研究成果を報告書にまとめた。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 山下晋司: "文化人類学における視聴覚教育の可能性"大森康宏編『マルチメディァによる民族学』(国立民族学博物館調査報告35)国立民族学博物館. 93-100 (2003)
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[Publications] イーズ, ジェレミー: "Ethnographies of the Vanishing? Global Images and Local Realities among the Aborigines of Taiwan, 1600-2000"Shinji Yamashita and Jerry Eades eds. Globalization in Southeast Asia : Local, National, and Transnational Perspectives. New York and Oxford : Berghahn Books. 226-252 (2003)
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[Publications] 大塚和夫: "イスラームにおける話すことと書くこと-人類学的視点から"思想. 941. 47-67 (2002)
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[Publications] 桑山敬己: "Representations of Japan in American Textbooks of Anthropology : Focusing on the Use of Photographs"Occasional papers series 1, the Europe Japan Research Centre, Oxford Brookes University. 1-36 (2002)
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[Publications] 竹沢泰子: "人類とアメリカ人類学"綾部恒雄編『文化人類学のフロンティア』ミネルヴァ書房. 3-30 (2003)
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[Publications] 船曳建夫: "狩猟からフットボール、採集からファンタジーへ"大航海. 42. 144-151 (2003)
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[Publications] 大森康宏: "民族誌映画を用いたマルチメディアによる研究発表"大森康宏編『マルチメディアによる民族学』(国立民族学博物館調査報告35)国立民族学博物館. 17-29 (2003)
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[Publications] 日野舜也: "戦後(1945年以後)の都市文化の変化と流行:戦後社会史のなかで"人間・文化・心(京都文教大学紀要). 4. 69-86 (2002)
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[Publications] 田中雅一(山路勝彦と共編): "植民地主義と人類学"関西学院大学出版会. 567 (2002)
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[Publications] 波平恵美子(編著): "文化人類学〔改訂版〕"医学書院. 260 (2002)