2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13410096
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹沢 泰子 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (70227015)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (00188335)
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 教授 (30192587)
スチュアート ヘンリ 昭和女子大学, 大学院・生活機構学研究科, 教授 (50187788)
坂元 ひろ子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30205778)
|
Keywords | 人種 / 文化人類学 / 自然人類学 / 人種差別 / 科学的人種主義 / 社会的構築物 / ヒトゲノム |
Research Abstract |
最終年度の平成15年度には、定期的な研究会の開催、国際シンポジウムの開催("New Wave"平成15年12月13日於京都大学)、平成14年度に開催した国際シンポジウムの報告書刊行(竹沢泰子編京都大学人文科学研究所)、報告書に基づいた学術書の出版に向けての合評会や準備、その出版の初校(竹沢泰子編著 平成16年5月出版予定 人文書院)、前述の国際シンポジウム"New Wave"の報告書刊行(ブライアン・ハヤシ/竹沢泰子共編京都大学人文科学研究所)代表者・分担者による国際学会における研究成果発表、これらにかかわる資料の収集と整理を主として行った。 共同研究会は13日間(うち1日は国際シンポジウム)開催し、毎回5時間以上かけ2人以上が報告を担当した。本年度は、これまで検討してきた人種の概念に加え、人種の表象と表現に焦点を当てながら、人種の実在性についても、発表や討議を通して研究を発展させた。 具体的には、まず広告、風刺画、文学作品、芸術作品に見られる人種の表象、アフリカや南米でのアフリカ人の抵抗運動、言説分析、ヒトゲノムや形質(歯や頭骨)からみたヒトの多様性なである。地域的にも、琉球、中国、インド、ドイツ、フランス、アフリカ、アメリカ、南米などにわたった。 本研究の総括する最終年度内に、二つのシンポジウムの報告書刊行に加え、平成14年度に行った国際シンポジウム『人種概念の普遍性を問う』を基とした前述の学術書を出版する準備が整い、再校にかかるまで進行したことは特記しておきたい。
|
Research Products
(28 results)
-
[Publications] 高階 絵里加: "ドガとイタリア"美術フォーラム21. 9号. 35-39 (2004)
-
[Publications] 高階 絵里加: "記憶と歴史-『世の途中から隠されていること』木下直之著"日本の美学. 36号. 204-208 (2003)
-
[Publications] Maruyama S., Minaguchi K., Saitotu N.: "Sequence polymorphisms of the mitochondrial DNA control region and phylogenetic analysis of mtDNA lineages in the Japanese population"International Journal of Legal Medicine. vol.117. 218-225 (2003)
-
[Publications] Tajima A., Cheih-Shan Sun C.-S., Pan I-H., Ishida T., Saitou N., Horai S.: "Mitochondrial DNA polymorphisms in nine aboriginal groups of Taiwan : implications for the population history of aboriginal Taiwanese"Human Genetics. vol.113. 24-33 (2003)
-
[Publications] Osawa M., Kaneko M., Horiuchi H., Kitano T., Kawamoto Y., Saitou N., Umetsu K.: "Evolution of the cystatin B gene : implications for the origin of its variable dodecamer tandem repeat in humans"Genomics. vol.81. 78-84 (2003)
-
[Publications] Duan J., Wainwright M.S., JComeron J.M., Saitou N., Sanders A.R., Gelernter J., Gejman P.V: "Synonymous mutations in the human dopamine receptor D2(DRD2) affect mRNA stability and synthesis of the receptor"Human Molecular Genetics. vol.12, no.3. 205-216 (2003)
-
[Publications] 竹沢 泰子 編著: "人種概念の普遍性を問う〜植民地主義・国民国家・創られた神話"京都大学人文科学研究所. 348 (2003)
-
[Publications] 竹沢 泰子 監修: "日系人コミュニティから見た現代アメリカ社会と市民活動"国際交流基金CGP公開シンポジウム報告書. 49 (2003)
-
[Publications] 竹沢 泰子: "「人種とアメリカ人類学」綾部恒雄編『文化人類学のフロンティア』"ミネルヴァ書房. 3-30 (2003)
-
[Publications] 竹沢 泰子: "「アメリカ人類学にみる進化論と人種」阪上孝編『変異するダーウィニズム-進化論と社会』"京都大学学術出版会. 452-489 (2003)
-
[Publications] 竹沢 泰子: "「今ふたたび,人類とは何か-現代の人種主義を見つめるために」『トランスナショナリティ研究-場を越える流れ』"大阪大学. 72-83 (2003)
-
[Publications] 竹沢 泰子: "「アメリカ合衆国--揺らぐ境界・揺らがぬ境界」青柳真智子編『国勢調査の文化人類学』"古今書院. 273-294 (2003)
-
[Publications] Brian Hayashi, Yasuko Takezawa eds: "New Waves : Japanese American Studies in the 21st Century"Institute for Research in Humanities, Kyoto University. 111 (2004)
-
[Publications] 竹沢 泰子 編著: "人種概念は普遍か"人文書院(印刷中).
-
[Publications] 竹沢 泰子: "「外国人」としての日系人と多文化共生〜震災後の神戸にみる新しい試み」レーン・ヒラバヤシ他編"人文書院(印刷中).
-
[Publications] Masakazu TANAKA: "Hinduism in Singapore : Ethno-nationalization in Process. Junji Koizumi(ed.) Dynamics of Cultures and Systems in the Pacific Rim : Anthropological"Osaka University Press. 15-34 (2003)
-
[Publications] Masakazu TANAKA: "Religion in Everyday Life. Veena Das (ed.) The Oxford India Companion to Sociology and Anthropology"Oxford University Press. 861-883 (2003)
-
[Publications] 田中 雅一: "「親族研究における進化概念の受容〜進化から変容へ」阪上孝編『変異するダーウイニズム 進化論と社会』"京都大学学術出版会. 159-189 (2003)
-
[Publications] 貴堂 嘉之: "「<アメリカ人>の境界と「帰化不能外国人」」油井大三郎・遠藤泰生編『浸透するアメリカ、拒まれるアメリカ-世界史の中のアメリカニゼーション』"東京大学出版会. (2003)
-
[Publications] 松田 素二, 古川 彰 共編者: "観光と環境の社会学"新曜社. (2003)
-
[Publications] 松田 素二: "呪医の末裔-東アフリカ・オデニョー族の二○世紀"講談社. (2003)
-
[Publications] 松田 素二: "「日常のなかの都市性-あるケニア人一族の100年間の都市経験から」関根康正編『<都市的なるもの>の現在-文化人類学的考察』"東京大学出版会. 241-271 (2003)
-
[Publications] 松田 素二: "「国勢調査と民族生成-ケニア」青柳真智子編『国勢調査の人類学』"古今書院. 345-364 (2003)
-
[Publications] 松田 素二: "「ネグリチュードをめぐって」竹沢泰子編『人種概念は普遍か』"人文書院(印刷中).
-
[Publications] 坂元 ひろ子: "中国民族主義の神話:人種・身体・ジェンダー"岩波書店(印刷中).
-
[Publications] 坂元 ひろ子: "「中国史上の人種概念をめぐって」竹沢泰子編『人種概念は普遍か』"人文書院(印刷中).
-
[Publications] スチュアート ヘンリ 編著: "「野生」の誕生:未開イメージの歴史"世界思想社. (2003)
-
[Publications] 小牧 幸代: "「パンジャービー民族の自文化表象とイスラーム〜聖遺物の展示をめぐって」黒崎・子島・山根編『現代パキスタン分析:民族・国民・国家』"岩波書店. 151-177 (2004)