2002 Fiscal Year Annual Research Report
海外アイヌ資料に基づくアイヌ文化の地域差・時代差に関する研究
Project/Area Number |
13410097
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
小谷 凱宣 南山大学, 人文学部, 教授 (40111091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出利葉 浩司 北海道開拓記念館, 事業部・事業課長 (40142088)
佐々木 利和 東京国立博物館, 資料課, 民族学資料室長 (80132702)
荻原 眞子 千葉大学, 文学部, 教授 (00129074)
谷本 晃久 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (20306525)
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Keywords | アイヌ文化 / アイヌ研究 / 海外アイヌ文化財 / 文化財研究 / 物質文化研究 |
Research Abstract |
○研究集会: ・平成14年11月末の第17回「大学と科学」公開シンポジウム「海外のアイヌ文化財:現状と歴史」実施準備のために、9月上旬と11月中旬に研究会を札幌市で開催した。同時に、海外アイヌ資料データベース作成準備作業の点検、「蝦夷志料にもとづく逸文集」の編纂作業をおこなった。また、2月下旬には、南山大学において、北米アイヌ・コレクションの背景情報の集中的な整理作業を実施した。 ・平成14年11月29日、30日の両日、札幌市・北海道大学クラーク会館講堂において、今年度の文部科学省補助金による「大学と科学」公開シンポジウム「海外のアイヌ文化財:現状と歴史」を実施した。シンポジウムの代表者は小谷凱宣で、研究分担者をはじめ、多数の研究協力者の参加と協力をえた。海外アイヌ資料調査に基づき、アイヌ文化の地域差についの発表と、今後の研究課題について論議した。その全容を、『第17回「大学と科学」公開シンポジウム予稿集:海外のアイヌ文化財:現状と歴史』として出版した。 ・平成15年1月25日に開かれた中部人類学談話会(於椙山女学園大学)において、公開研究会を兼ねて、小谷凱宣、荻原眞子、佐々木利和の3名が海外アイヌ資料調査結果を日本民族学会と日本人類学会の会員に紹介した。明治末までに収集されていたアイヌ資料のもつ意義と研究資料としての重要性について論じ、質疑応答をおこなった。 ○海外アイヌ資料のデータベース化作業: ・北米アイヌ資料の調査カード(情報カード)約3,200枚の整理を終え、調査関係者にコピーを配布した。また、西欧アイヌ資料のスライド(約4,650枚)のデジタル化をおこなってCDに入力し、調査資料のスライドの褪色などの劣化現象に備えた。 ○「蝦夷志料」研究: ・研究分担者・谷本晃久と研究協力者を中心に、「蝦夷志料」(全209巻)だけに収録されている、いわゆる逸文の整理と翻刻作業をおこない、その成果を北海道教育大学岩見沢校の研究紀要『史流』に投稿、来年度初頭に出版されることになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小谷凱宣: "明治時代のアイヌ・コレクション収集史再考"国立歴史民俗博物館研究報告. 第107集. 2-17 (2003)
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[Publications] 荻原眞子: "東北アジアと東アジアの境界;サンクト・ペテルブルグのサハリンアイヌ民族資料に寄せて"境界を超えて-東アジアの周縁から(中見立夫編). 34-68 (2002)
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[Publications] Toshikazu Sasaki(佐々木利和): "Hakyo Kakizaki und Byozan Hirasawa ; Twei Hoehepunkte der Ainu-e"Die Ainu : Portraet einer Kultur im Norden Japans (Staatliches Museum fuer Voelkerkunde Muenchen). 42-55 (2002)
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[Publications] 出利葉 浩司: "近世末期におけるアイヌの毛皮獣狩猟活動について"国立民族学博物館調査報告. 34号. 97-163 (2002)
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[Publications] 谷本晃久 ほか: "『蝦夷志料』逸文書目誌考"史流. 41号(予定). (2003)
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[Publications] 出利葉 浩司: "アイヌの狩猟文化研究における視点"Arctic Circle. 45号. 4-9 (2002)
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[Publications] 小谷凱宣 他: "第17回「大学と科学」公開シンポジウム予稿集『海外のアイヌ文化財:現状と歴史』"(株)クバプロ. 43 (2002)