2003 Fiscal Year Annual Research Report
旧石器時代における人間の居住様式と動物相との相関に関する研究
Project/Area Number |
13410117
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
稲田 孝司 岡山大学, 文学部, 教授 (40135926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 善也 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00135394)
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Keywords | 考古学 / 旧石器時代 / 哺乳動物化石 / 国際研究者交流 / フランス |
Research Abstract |
(1)岡山県新見市足見NT洞窟の発掘調査:昨年度に設定した調査区で発掘を継続し、昨年度の発掘停止面からさらに約90cm掘り下げた。これまでと同様、今回の調査でもシカ・イノシシおよび小動物の骨が多量に出土したが、骨の分布北限がおおむね確定できた。ただ、今年度の発掘停止面より下方にも骨が堆積しており、今後さらに発掘を継続していく必要がある。 (2)旧石器時代遺跡・更新世動物化石産地の踏査等:青森県東通村尻屋崎の化石産地、長崎県平戸市の旧石器時代遺跡、静岡県芝川町の縄文時代草創期の遺跡等を踏査し、人間の居住域ないし動物の生息環境について検討した。恩原遺跡については、石器ブロックのあり方を他遺跡と比較検討した。その他、旧石器時代の住居跡として報告された遺構を再検討し、竪穴住居については疑問が多いことを論証した。 (3)海外における先史時代居住様式と動物相との相関に関する研究との比較:日本で発見された旧石器時代の落とし穴の評価を行うため、フランスの後期旧石器時代におけるトナカイ・ウマ等の狩猟活動との比較研究を行った。 (4)報告書の作成:報告書には、高知県初平ヶ岩屋洞窟と岡山県NT洞窟の調査報告をまとめるとともに,本研究の成果である稲田の研究論文を再録し、あわせてフランスの海外共同研究者2人の書き下ろし論文およびその和訳を掲載した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲田孝司: "日本における旧石器時代住居遺構の批判的検討"考古学研究. 50巻3号. 85-101 (2003)
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[Publications] INADA Takashi: "Etat actuel et probleme de l'archeologie Japonaise"Les nouvelles de l'archeologie. 91. 29-34 (2003)
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[Publications] 稲田孝司: "後期旧石器時代の狩猟と動物群"文化の多様性と比較考古学. (刊行予定 4月). (2004)
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[Publications] 稲田孝司: "日本における定住生活の始まりと生業"文化の多様性と21世紀の考古学. (刊行予定 4月). (2004)
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[Publications] 稲田孝司, 河村善也: "岡山県新見市足見で発見された中期更新世洞窟堆積物とその哺乳類化石群集"第四紀研究. (2004.2投稿済み).
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[Publications] 河村善也: "風穴洞穴遺跡の完新世および後期更新世の哺乳類遺体"北上山地に日本更新世人類化石を探る. 185-200 (2003)