2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイバー空間における規範の生成と法原理の探究―法学・工学的アプローチ
Project/Area Number |
13420001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林田 清明 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50145356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤間 清 北海道大学, 情報メディア教育研究総合センター, 教授 (50126265)
田村 善之 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20197586)
松村 良之 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80091502)
長谷川 晃 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90164813)
新田 克己 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60293073)
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Keywords | サイバースペース / インターネット / 法規範 / 情報 / 知的財産法 / プライヴァシー / 法原理 / 正義 |
Research Abstract |
研究の初年度として基礎的・環境的整備を図り、研究の早期の効率的運用を目指した。今年度は、郵政省、経済産業省、総務省など政府機関、また電気通信事業者やサービスプロバイダー、業界団体など民間での調査・インタビューを通じてサイバー空間の理解と現行システムや法規制の利点・改善要望点を聴き取り、一部データー化した。とくに、行動分析グループでは、松村・太田は、名古屋大学大学院法学研究科松浦好治教授、大阪大学大学院法学研究科養老眞一助教授のサポートも得て、リサーチセッティングとしてサイバースペースによる遠隔地講義の設定での社会心理学的実験のフィージビリティについて検討した。情報グループでは、田村は、知的財産法による創作活動へのインセンティヴ創出、知的財産権に関する市場取引の活性化および公衆の自由の確保という要請のための理論枠組を考察した。また関連企業の法務部、知的財産部との意見交換を行い専門家学者との研究会を企画した。林田は、サイバースペースにおける個人情報やプライヴァシーの保護について検討・講演した。 正義・分配グループは、サイバースペースにおける立憲主義的原理の性質に関して公正・正義理念と権利保障および権力分立との関係の問題、人格の多元性の問題を考究した。情報工学グループでは、デジタル情報の処理、制御の技術、デジタルコンテンツについての研究を進めた。新田は、Webから法的情報を抽出するために、XMLタグを付与することでコンピュータにその文書の論理構造を理解できる形式に着目して判例構成の解析と判決理由の論理的解析の2段階の処理を行い、タグ付判例を自動的に出力するツールを開発した。本年度で得られた実証的データーと問題点および論理的研究で得られた知見とを照合して次年度以降の課題を含めて意見交換をおこなった。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] 林田清明: "インターネット時代のプライバシーと個人情報の保護"『くらしと社会のための安全の科学』(北海道大学). 37-41 (2001)
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[Publications] 太田勝造: "ポパーの確率理論について : 長谷部恭男『事実認定と確率理論・補遺』へのコメント"法律時報. 73巻3号. 74-75 (2001)
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[Publications] 太田勝造: "第2章 民事裁判システムの初歩的経済理論"細江守紀, 太田勝造(編著)『法の経済分析 : 契約・企業・政策』(勁草書房). 26-49 (2001)
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[Publications] 太田勝造: "第6章 消費者契約法制 : 善玉当事者と悪玉当事者"細江守紀, 太田勝造(編著)『法の経済分析 : 契約・企業・政策』(勁草書房). 119-155 (2001)
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[Publications] 太田勝造: "消費者契約とゲーム論 : 消費者取引秩序は自生的に創発しうるか?"ジュリスト. 1200号. 159-164 (2001)
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[Publications] 太田勝造: "なぜトートロジーは無関係か? : 長谷部恭男教授へのさらなるコメント"法律時報. 73巻7号. 147-147 (2001)
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[Publications] 太田勝造: "紛争解決の価値と司法制度の価値 : WTP概念とCVMの応用のための研究ノート"青山善充, 伊藤真ほか(編)『新堂幸司先生古希祝賀 : 民事訴訟法理論の新たな構築<上>』(有斐閣). 67-96 (2001)
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[Publications] 松村良之: "法社会学は何をしてきたか-川島武宣の法意識研究を中心として"和田仁孝ほか【編】『Series Law in Action<1>法と社会へのアプローチ』(日本評論社). 発表予定. (2002)
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[Publications] 田村善之: "特許権侵害に対する差止請求"判例タイムズ. 1062号. 64-80 (2001)
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[Publications] 田村善之: "特許発明の定義"法学教室. 252号. 13-18 (2001)
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[Publications] 田村善之: "インターネット時代における効率性・多様性・自由"知財研フォーラム. 47号. 50-54 (2001)
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[Publications] 田村善之: "上演権侵害の主体-バレエ作品振付け著作権事件"斉藤博, 半田正夫(編)『著作権判例百選 第3版』(有斐閣). 130-131 (2001)
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[Publications] Kiyoshi Akama et al.: "A Class of Rewriting Rules and Reverse Transformation for Rule-Based Equivalent Transformation"Electronic Notes in Theoretical Computer Science. Vol.59 No.4. 1-16 (2001)
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[Publications] Kiyoshi Akama et al.: "Equivalent Transformation by Safe Extension of Data Structures, Perspectives of System Informatics"Lecture Notes in Computer Science. Vol.2244. 140-148 (2001)
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[Publications] Kiyoshi Akama et al.: "Decomposition Structures for Programs on Separated Representation Systems"The 2001 International Conference on Artificial Intelligence (IC-AI'2001). 321-327 (2001)
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[Publications] Kiyoshi Akama et al.: "Semantics for Declarative Descriptions with Referential Constraints"International Conference on Computing and Information Thchnologies (ICCIT 2001). 405-410 (2001)
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[Publications] Hidekatsu Koike, Kiyoshi Akama et al.: "Program Synthesis by Generating Equivalent Transformation Rules"Proceedings of the Second International Conference on Intelligent Technologies (InTech'01). 250-259 (2001)
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[Publications] 村松正彦, 安村禎明, 新田克己: "判例文の論理構造の表現法"人工知能学会全国大会. 3B3-01. 1-2 (2001)
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[Publications] 村松正彦, 安村禎明, 新田克己: "判例文の論理構造のタグ付けツール"人工知能学会研究会資料. SIG-KBS-A104. 1-8 (2002)
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[Publications] 長谷川 晃: "よき生と正義"法の理論. 21号. 219-225 (2001)
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[Publications] 長谷川 晃: "多元的自我とリベラルな法共同体"山脇 直司(編)『21世紀の公共哲学』(東大出版会). (発表予定). (2002)
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[Publications] 田村 善之: "著作権法概説(第2版)"有斐閣. 595 (2001)