2001 Fiscal Year Annual Research Report
現代ナショナリズム・エスニシティ問題に関する比較政治学および政治理論的研究
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13420022
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
松田 宏一郎 立教大学, 法学部, 教授 (50222302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 明生 立教大学, 法学部, 教授 (80240993)
川崎 修 立教大学, 法学部, 教授 (80143353)
李 鐘元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
田村 愛理 東京国際大学, 商学部, 教授 (50166584)
佐々木 卓也 立教大学, 法学部, 教授 (60202090)
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Keywords | ナショナリズム / マイノリティ / イスラム / 台湾 |
Research Abstract |
本年度は、各分担者が資料収集および研究動向の調査、関連テーマの研究者との情報交換などのために海外および国内へ出張し、あるいはデータの整理をおこない、本研究課題の途中経過報告として、立教大学において研究会形式で発表をおこなった。個々の分担者の研究活動は以下のようなものである。 研究代表者、松田宏一郎は英語圏の日本研究におけるナショナリズム研究の動向を調査し、研究者と意見交換するため、オーストラリアでの研究者との交流およびオーストラリア日本研究学会における報告をおこなった。また山口県などで幕末・明治期の資料収集をおこなった。高原明生は、台湾における研究者との交流および資料収集を通じて台湾におけるナショナリズム的政治意識の動向を調査した。田村愛理は英国、オーストリア、ハンガリーなどにおいてイスラム社会におけるマイノリティ問題の動向および理論的研究の最新情報を調査した。特に、オーストリア・ハンガリー帝国の都市のユダヤ人街を訪ね、従来田村が研究してきたイスラムのマイノリティ政策と、旧ハプスブルグ帝国のマイノリティ政策の比較について情報の収集をおこなった。Kevin Doakは7月までの日本滞在中に収集した資料をもとに、近代日本に方ける民族学・人類学の理論枠組みとナショナリズムの関係について研究をすすめている。吉岡知哉はフランスにおいて18世紀思想の資料収集および研究者との情報交換をおこなった。他の分担者も資料分析、本研究課題のための研究会における議論を通じて、特にナショナリズム研究のそれぞれの専門分野での動向の情報共有をすすめ、また本プロジェクト内部におけるナショナリズム・エスニシティといった主要概念の明確化に貢献した。 次年度は、各分担者が調査を継続しつつ、最終成果となる専門分野をこえたナショナリズム研究の動向と枠組みの整理に向けて、より共同作業的な形で研究会を継続し、また積極的に内外の学会などの研究の発表の場を利用して、広く政治学、歴史学、地域研究におけるナショナリズム論の展開に参加し、新しい動向の整理につとめたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松田 宏一郎: "Fate of Pedantocracy : The Idea of Government by Intellect in the Nineteenth-Century Japan and Europe"立教法学(近刊). 61. (2002)
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[Publications] 中北 浩爾: "「戦後日本政治経済体制の形成-1945-1955年」"立教法学(近刊). 61. (2002)
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[Publications] 吉岡 知哉: "アンシァン・レジームにおける国家と宗教"立教法学(近刊). 61. (2002)
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[Publications] 田村 愛理: "Dhinmi in Islamic Multi-Cultural Structure and Minority in the Nation-State System : A Perspective from the Festival of el-Ghriba in Jerba Island"JCAS Symposium Series 5, State Formation and Ethnic Relations in the Middle East 国立民族学博物館、地域研究企画交流センター. (2001)