2003 Fiscal Year Annual Research Report
国際博覧会の経済効果に関する計量分析―開催実績比較・地域開発の視点から―
Project/Area Number |
13430018
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 甲一 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (60195774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十名 直喜 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (80247618)
木村 光伸 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (50167376)
木船 久雄 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (80257592)
三井 哲 名古屋学院大学, 商学部, 教授 (70319234)
水田 健一 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (00157497)
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Keywords | 国際博覧会 / 経済効果 / 地域開発 / 産業連関分析 / 大規模イベント / 愛知万博 / ハノーバー万博 / ジャパンエキスポ |
Research Abstract |
本年度は、この研究の最終年度に当たるため、当初の計画から十分に実施できていない点を補完し、研究成果の最終的なとりまとめをおこなうことに重点をおいて研究を実施した。その実績の要点は以下のとおりである。 1.本研究の根幹である国際博覧会の経済効果に関する計量分析については、従来、わが国や諸外国の事例で国際博やその他の大規模イベントの経済効果を測定する際に利用される、産業連関表を用いた投入-産出分析の特徴や問題点を明らかにしながら、それを改良した手法やそれとは異なる経済効果分析の手法について検討した。また、今後、こうした経済効果分析のモデルを構築する際に重要となる博覧会の開催効果の捉え方を明らかにした。さらに、こうした計量化して、通常の手法で測定可能な、直接的な経済効果だけではなく、それに関連した博覧会の質的な経済効果や社会効果も含めて、総合的な視点からその「経済効果」を分析・評価できるような手法についても検討を加えた。 2.2000年に開催されたハノーバー万博の経済・社会波及効果の現状を把握し、かつ効果分析・評価手法について意見交換をおこなうため国外調査を実施し、国際博の経済・社会効果を考察するうえで多くの有益な知見をうることができた。また、それと合わせてヨーロッパで非常に好評だったExpo.02(スイス博)の開催効果に関する現地調査をおこない、さらに国内博の事例研究として2003若狭路博の現地調査を実施した。 3.2003年11月29〜30日名古屋大学で開催された日本経済政策学会第2回国際会議において、EXPO2005=愛知万博に関する特別セッションを設定し、The Economic and Social Impact of the "Large-scale Public Event Project (LPEP)" : Aspects of Expected Effect and Its Evaluation on LPEPというテーマで本研究の成果を発表した。 4.最終的には、総数20本の論文、調査報告およびアンケート結果報告を(1)国際博覧会の開催効果と分析・評価手法、(2)国際博覧会の開催効果に関する実績調査報告-国際比較と地域開発の視点から-、(3)大規模イベントの開催効果に関する実績調査報告-オリンピックと国内博覧会-、(4)博覧会の開催効果に関するアンケート調査報告、(5)博覧会ならびに大規模イベントの経済効果に関する計量分析、という5つの部で構成した研究成果報告書を作成する。
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