Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
加藤 文元 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50294880)
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Research Abstract |
本年度は,対数幾何学についての研究を行った.一般型の複素多様体への支配的な有理写像は有限個のみであるという小林・落合の定理は,ディオファントス幾何の立場からは大きな関数体についての有理点が有限個であることを示している.これは,いわゆるラング予想に対する証拠を与えていることになる.このことの対数幾何版は,加藤和也氏によって予想されていたことである.これに対する,解決を岩成氏との共同研究で与えた.具体的には,以下のような定理である. 定理:XとYを閉体k上定義された射影的な半安定代数多様体とし,M_X, M_Y, M_kをそれぞれX, Y, Spec(k)上の対数構造とし,(X, M_X)と(Y, M_Y)は(Spec(k), M_k)上整で対数的のスムーズであると仮定する.さらに,(Y, M_Y)の対数的双対層はビックであると仮定する.このとき,(X, M_X)から(Y, M_Y)への(Spec(k), M_k)上の分離的で支配的な有理写像は有限個である. この証明において,重要な鍵となるのは,局所構造定理と剛性定理である.局所構造定理は,半安定代数多様体上において整で対数的にスムーズである対数射の局所的な形を定める定理で,剛性定理は,代数多様体の射が与えられたとき,半群の射は高々一つのみしか与えられないことを主張する定理である.岩成氏との共同研究においては,上記の局所構造定理と剛性定理は閉体上の定理であったが,その後,研究代表者自身が,一般の局所ネータースキーム上にまで拡張し,そのことにより,対数的写像の降下の問題が肯定的に解決することができた.さらに,スムーズ位相で局所的に対数写像が定まれば,大域的にっながることも示された.
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