2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (50314399)
高橋 明彦 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50313226)
吉田 朋広 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90210707)
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Keywords | 数理ファイナンス / デリバティブ / 数値計算 / リー環 / マリアバン解析 / 拡散過程 / ルンゲ・クッタ法 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続きヨーロッパ型デリバティブの数値計算手法の研究を行った。まず、昨年度までの結果を整理し直し、マリアバン解析に基づく確率微分方程式とリー環を用いた方法をより現実的なものに拡張をした。具体的に言うと、まずm-similarなマルコフ作用素の概念を導入し、さらにm-L-similarな確率変数という概念を導入し、昨年度までの近似方法の自由度を大幅に高め、同時に逐次確率積分の代数的な性質についても解明した。 また、常微分方程式の近似方法として有効なルンゲ・クッタ法を活用し、m-similarなマルコフ作用素の具体的構成法やm-L-similarな確率変数の具体型についての研究を行い、実行可能なアルゴリズムの研究を行った。 さらに東京工業大学の二宮祥一氏との共同研究により、Oxford大学のT.Lyonsらによるアイデアを改良し、モンテカルロ法も組み合わせることにより、現実に実行可能なプログラムを作り、ブラウン運動やストキャスティックエアリアに関連した期待値の計算を実行した。まだ、オイラー丸山近似との優劣について明確な結論は得られないが、場合によってはかなり高速に、オイラー丸山近似より精度良く期待値の近似計算ができることはわかった。今後はさらに効率的な方法を研究していく。 また、ブラウン運動の古典力学系からの導出、境界条件を持つ確率的ニュートン方程式の研究も合わせて行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Malliavin Calculus revisited"Journal of Mathenatical Sciences University Tokyo. (掲載予定). (2003)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Nonlinear transformation containing rotation and Gaussian measure"Journal of Mathenatical Sciences University Tokyo. (掲載予定). (2003)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Mote Carlo Method for Pricingof Bermuda type derivatives"Advances in Mathematical Economics. 5. 153-166 (2003)
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[Publications] Kunitomo, Naoto: "On Validity of the Asymptotic Expansion Approach in Contingent Claim Analysis,"The Annals of Applied Probability. (掲載予定). (2003)
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[Publications] 高橋明彦: "モンテカルロフィルタを用いた金利モデルの推定"統計数理. 50・2. (2003)