2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50314399)
高橋 明彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (50313226)
吉田 朋広 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90210707)
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Keywords | ファイナンス / アクチュアリー / リスク / 法則不変 / 多期間モデル / 連続極限 / フィルトレーション / ルンゲ・クッタ |
Research Abstract |
本年度は多期間リスク尺度の研究において大きな進展があった。まず、1期間モデルに対するリスク尺度として研究していた、法則不変かつコヒーレントなリスク尺度の概念を、多期間モデルのリスク尺度に適用できるように、フィルター付きリスク尺度の概念を導入した。また、期間の単位をを小さくしていき連続時間極限をとった時、そのリスク尺度の極限が存在するか、また存在すればどのようになるかについて研究を行った。特に、次の2つのモデルに対して研究を行った。 (1)Brownian-Poissonフィルトレーション (2)損害保険のモデル(Collective Risk) この2つのモデルについて、フィルター付きリスク尺度の値のの連続極限の存在を示し、極限の表現を得た。(1)に対する結果はF.Delabaen(ETH)らの結果の枠組みに含まれているが、より具体的な形を与えている。(2)に対する結果では、全く新しい形のリスク尺度を与えている。これらの結果のファイナンスやアクチュアリーにおける意味について現在考察中であるが、実務でも用いることのできる新しい基準が導かれるものと期待している。 さらにまた、昨年度に引き続きヨーロッパ型デリバティブの数値計算手法の研究を行った。常微分方程式の近似方法として有効なルンゲ・クッタ法を活用して、m-similarなマルコフ作用素を具体的に構成するための方法の研究を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Nonlinear transformation containing rotation and Gaussian measure"Journal of Mathenatical Sciences University Tokyo. 10. 1-40 (2003)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Malliavin Calculus revisited"Journal of Mathenatical Sciences University Tokyo. 10. 261-277 (2003)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "On an Ergodic Property of Diffusion Semigroup on Euclidean Space"Journal of Mathenatical Sciences University Tokyo. 10. 537-553 (2003)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Approximation of expectation of diffusion processes based on Lie algebra and Malliavin calculus"Advances in Mathematical Economics. 6. 69-83 (2003)
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[Publications] Kusuoka, Shigeo: "Stochastic Newton Equation with reflecting bounadary condition"Advanced Studies in Pure Mathematics. (掲載予定). (2004)
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[Publications] Yoshida, Nakahiro: "Conditional expansions and their applications"Stochastic Processes and their Applications. 107. 53-81 (2003)