2003 Fiscal Year Annual Research Report
作用素ノルムTrotter-Kato積公式の更なる展開と経路積分の問題
Project/Area Number |
13440044
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 大輔 学習院大学, 理学部, 教授 (10011561)
高信 敏 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40197124)
田村 博志 金沢大学, 理学部, 助教授 (80188440)
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
|
Keywords | トロッター積公式 / トロッター・加藤積公式 / リー・トロッター・加藤積公式 / 経路積分 / シュレーディンガー作用素 |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度である.昨年度に続いて,経路積分との関連を意識しつつ,シュレーディンガー作用素論における例や応用を参考にしながら,作用素ノルムでの自己共役トロッター・加藤(Trotter-Kato)積公式及び関連する経路積分の問題に関して更に新たな成果が得られた. 1.一瀬は,H.Neidhardt及びV.A.Zagrebnovとの共著論文(J.Functional Analysis 2004)において,平成15年度に田村英男,田村博志,V.A.Zagrebnovと共に確立した作用素ノルム自己共役トロッター・加藤積公式を,作用素和の場合から2次形式和の場合へ,一方の自己共役作用素が他方の自己共役作用素によって2次形式の意味でドミネイトされるときに拡張し,最良の誤差評価と共に証明した.このドミネイシヨンを仮定しないで証明できるかどうかは今後の問題であろう. 2.藤原大輔は,以前シュレーディンガー方程式の基本解を経路積分法を基に区分的古典軌道を用いて大変良い近似で構成したが,最近熊ノ郷直人と共に,時間分割折れ線近似の場合にも良い近似で得る研究やウィーナー空間上の振動積分の漸近解析の研究を行った。 3.田村英男は,伊藤宏との共同研究で,磁場を持つシュレーディンガー作用素及びディラック作用素について,アハラノフ・ボーム効果がどのような形で現出しているかについて数学的厳密な結果を得た. 4.谷島賢二は,A.Galtbayer,A.Jensenとの共同研究で,場の量子論のネルソン模型や時間周期的ポテンシャルを持つシュレーディンガー方程式の解の局所時間減衰について研究した.3,4は本研究の今後の参考になる. 5.一瀬は,本研究から明らかになった作用素ノルム自己共役トロッター・加藤積公式の近似の良さから,この近似の積分核も同じ誤差評価で収束しているのではないかという問題を,新たな田村英男との共同研究で検討中である.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takashi Ichinose: "Time-sliced approximation to path integral and Lie-Trotter-Kato product formula"In : "A Garden of Quanta", in Honor of Hiroshi Ezawa, World Scientific, Singapore. 77-93 (2003)
-
[Publications] Takashi Ichinose: "Trotter-Kato product formula and fractional powers of self-adjoint operators"Journal of Functinal Analysis. 207. 33-57 (2004)
-
[Publications] Hideo Tamura: "Aharanov-Bohm effect in scattering by a chain of point-like magnetic fields at large separation"Asymptotic Analysis. 34. 199-240 (2003)
-
[Publications] Hideo Tamura: "Resolvent convergence in norm for Dirac operator with Aharanov-Bohm field"Journal of Mathematical Physics. 44. 2967-2993 (2003)
-
[Publications] Kenji Yajima: "Nelson model with less than two photons"Annales H.Poincare. 225. 239-273 (2003)
-
[Publications] Kenji Yajima: "Local time-decay of solutions to Schroedinger equations with time-periodic potentials"J.Stat.Phys.. (to appear). (2004)