2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 教授 (00202383)
野海 正俊 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (80164672)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00176538)
増田 哲 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (00335457)
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Keywords | パンルヴェ方程式 / ベックルント変換 / 合流操作 / 初期値空間 / 非線形モノドロミー / モノドロミー空間 / 特殊古典解 / 行列式表示 |
Research Abstract |
1.ミニワークショップ「可積分系・パンルヴェ系」を野海正俊氏と共催した.期間は2002年12月3日(火)から5日(木)までの3日間,場所は神戸大学・滝川記念学術交流会館,参加者は約20名であった. 2.ケンブリッジ大学のマルタ・マゾッコ助教授を神戸大学に招聘した.マゾッコ助教授には上記ミニワークショップにおいて講演してもらい,そのあとパンルヴェ方程式に関連する研究情報交換を多くの研究者と行った. 3.今年度の研究成果は次の通りである. (1)パンルヴェ方程式P_J(J=V, IV, III, II)のベックルント変換がパンルヴェ方程式P_<VI>のベックルント変換から,通常の合流操作によって次々に得られることを確かめた(高野).ベックルント変換によって定まる多様体が初期値空間と一致するという野海・高野・山田の結果と併せると,以前に高野が得た初期値空間の合流の別の表現を得たことにもなる.合流操作はベックルント変換の無限小変換にも作用するが,P_<III>の無限小変換だけは例外的であるので,この辺の事情はさらに詳しく調べる必要がある. (2)パンルヴェ第VI方程式P_<VI>の非線形モノドロミーをモジュラー群の複素3次曲面への保測的な作用として書き下した(岩崎).非線形モノドロミーは初期値空間においては極めて超越的であるにもかかわらず,初期値空間のりーマン・ヒルベルト写像による像であるこの複素3次曲面においては簡単な代数的表現となることが重要である.この作用を2次元複素力学系として研究するのが大きな目標であるが,その前にモノドロミー空間の幾何的基盤を整備する必要があり,齋藤と共同してシンプレクテイック的,代数幾何的研究を進めているところである.また,ベックルント変換はモノドロミー空間では自明であるが,リーマン・ヒルベルト写像を介してベックルント変換の幾何的意味付を考えている. (3)パンルヴェ第VI方程式P_<VI>の代数函数解のある族を構成し,その族を特徴付ける特殊多項式(τ函数)の行列式表示を得た(増田).さらに第V以下のパンルヴェ方程式の既知の特殊古典解が合流操作によって次々に得られることを確かめた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Noumi: "Backlund Transformations and the Manifolds of Painleve Systems"Funkcialaj Ekvacioj. 45. 237-258 (2002)
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[Publications] K.Kajiwara: "Discrete Dynamical Systems with W(A^<(1)>_<m-1>)×W(A^<(1)>_<n-1>) Symmetry"Letters in Mathematical Physics. 60. 211-219 (2002)
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[Publications] M.-H.Saito: "Deformation of Okamoto-Painleve Pairs and Painleve equations"Journal of Algebraic Geometry. 11. 311-362 (2002)
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[Publications] T.Masuda: "On a Class of Algebraic Solutions to the Painleve VI Equation, Its Determinant Formula and Coalescence Cascade"Funkcialaj Ekvacioj. (to appear).
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[Publications] K.Iwasaki: "Generating Function Associated with the Rational Solutions of Painleve II Equation"Journal of Physics, A : Mathematical and General. 35. 207-211 (2002)
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[Publications] K.Iwasaki: "A Modular Group Action on Cubic Surfaces and the Monodromy of Painleve VI Equation"Proceedings of the Japan Academy, Series A. 78. 131-135 (2002)