2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野海 正俊 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (80164672)
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 教授 (00202383)
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
増田 哲 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (00335457)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00176538)
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Keywords | ガルニエ系 / 退化ガルニエ系 / 定義多様体 / 初期値空間 / ベックルント変換の合流 / リーマン・ヒルベルト対応 / 差分パンルヴェ方程式 / 超幾何関数解 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は次の通りである。 1.当研究課題の直接的目標であった2変数ガルニエ系と退化ガルニエ系の定義多様体を構成することが出来た。各系を5の分割Jで表すと、系Jの定義多様体は2|J|+3個の座標近傍とそれらの間の貼り合せで記述される(|J|はJの長さ)。そして各座標近傍において、各系は正準変数の多項式をハミルトンニアンとする正準方程式で表される。4回以上のブローアップを必要とする所で良い座標を見つけることが難しかったが、最終年度になってようやく結果を出すことが出来た。 2.各パンルヴェ方程式に対してベックルント変換群が定義されているが、良く知られている合流操作(退化操作)がベックルント変換群の間にも働くこと、すなわちパンルヴェ第VI方程式のベックルント変換群から、合流操作が定める簡単な形式的計算によって、他のパンルヴェ方程式のベックルント変換群が得られることを示した。 3.パンルヴェ第VI方程式の相空間(初期値空間)からモノドロミー表現のモジュライ空間へのリーマン・ヒルベルト対応についての詳しい結果を得た。著しいものは、ベックルント変換群の特徴付けである。すなわち、リーマン・ヒルベルト対応が、アフィン・ワイル群W(D^<(1)>_4)を被覆変換群とする被覆写像となっていることを示した。 4.各パンルヴェ方程式は、パラメターが特別な時、古典超越関数解を持つことが知られているが、良く知られている合流操作(退化操作)がこれらの特殊解の間にも整合的に働くことを確かめた。 5.1階非線形偏微分方程式の特異点における形式べき級数解の構造についての新たな結果を得た。 以上の結果は学術雑誌に発表された、あるいは発表予定である。
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Research Products
(7 results)