2001 Fiscal Year Annual Research Report
HETE-2衛星を用いたガンマ線バースト/バースト残光天体の研究
Project/Area Number |
13440063
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 篤正 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (80240274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 徹 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (20333312)
河合 誠之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80195031)
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70082831)
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Keywords | ガンマ線バースト / ガンマ線バースト残光 / HETE-2 / X線バースト / 軟X線リピーター / GCN |
Research Abstract |
HETE-2衛星は2000年10月9日の打ち上げ以降順調に運用され、検出器は安定に動作している。2000年末から2001年前半にかけては、かに星雲、さそり座X-1、および銀河中心方向に集中するX線バースト等、位置が正確に知られている天体をもちいて、検出器・衛星姿勢系の較正観測をおこない、WXM検出器でガンマ線バースト(GRB)の発生位置を約10分角の精度で決定できるようになった。2001年夏からは本格的な観測態勢に移行し、インターネットを用いた自動通報システムである、ガンマ線バースト位置通報ネットワーク(GCN)を通して、GRBの発生および位置の情報を世界中の研究者に配信している。現在、およそ1月に1例の割合で、GRBをとらえている。現在までに10例を越えるGRBの位置を報告しているが、このうち2例では、可視光で残光天体が発見され、複数の光学望遠鏡で観測されている。この中には、日本国立天文台の「すばる望遠鏡」も含まれ、研究代表者がPIをつとめる緊急観測プログラムが実行中である。 ガンマ線バーストのみならず、HETE・2衛星は2例の軟ガンマ線リピーターからのバーストも検出し、100イベントをこえるX線バーストもとらえている。この他赤道上空600kmの高度における、荷電粒子強度の研究も進行中である。 これらの結果は、日本天文学会、日本物理学会の年会、2000年10月にアメリカで開催されたガンマ線バースト国際会議等で発表された。また、2000年12月には本研究費をもちいてHETE-2を中心とする研究会を開催し、50名以上の研究者により広範囲におよぶ議論をおこなった。また、日本物理学会誌、天文月報誌上において、HETE-2衛星・ガンマ線バーストに関する解説をおこなっている。 残光天体の追観測については、国立天文台のみならず美星天文台・ぐんま天文台等、公共公開天文台との協力体制の構築もすすめている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉田篤正, 河合誠之: "軌道にのったHETE-2衛星"日本物理学会誌. 55. 956-957 (2001)
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[Publications] 吉田篤正: "HETE-2衛星宇宙最遠の天体現象を狙う"日本物理学会誌. 56. 522-525 (2001)
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[Publications] 河合誠之: "ガンマ線バースト観測衛星HETE-2の打ち上げ"天文月報. 94. 287-301 (2001)
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[Publications] Y.Shirasaki, N.Kawai, A.Yoshida et al.: "Astrophysical Calibration and Estimate of the Systematic Error in HETE WXM Localizations Obtained by RIKEN Cross Correlation Method"Proceedings of Gamma-Ray Burst and Afterglow Astronomy 2001. (印刷中). (2002)
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[Publications] A.Yoshida et al.: "Soft Gamma-Ray Repeaters as Observed by the HETE WXM"Proceedings of Gamma-Ray Burst and Afterglow Astronomy 2001. (印刷中). (2002)
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[Publications] T.Sakamoto, D.Takahashi, N.Kawai, A.Yoshida et al.: "X-ray Bursts Observed by the HETE-2 Satellite"Proceedings of Gamma-Ray Burst and Afterglow Astronomy 2001. (印刷中). (2002)