2002 Fiscal Year Annual Research Report
HETE-2衛星を用いたガンマ線バースト/バースト残光天体の研究
Project/Area Number |
13440063
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Research Institution | AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 篤正 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (80240274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 徹 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (20333312)
河合 誠之 東京工業大学, 理学部, 教授 (80195031)
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70082831)
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Keywords | ガンマ線バースト / ガンマ線バースト残光 / HETE-2 / X線バースト / 軟X線リピーター / GCN |
Research Abstract |
HETE-2衛星は2000年10月9日の打ち上げ以降順調に運用されている。2002年からは、衛星軌道の夜間、明るい銀河X線天体が観測装置の視野内に入らないように衛星の姿勢を制御し、ガンマ線バーストの検出率を向上することに成功した。また、機上処理によるバースト方向決定ソフトウェアの改良をおこなった。これらの結果、機上決定したバースト方向のリアルタイム通報を行うことに成功した。 とくに2002年10月4日に起きたガンマ線バーストでは、発生から48秒でガンマ線バースト連携ネットワーク(GCN)を通して研究者コミュニティーにその位置を報告し、バースト後193秒から地上での追観測を行うという画期的な成果をもたらした。この結果、特に日本の研究機関(理研、京大、東大木曽観測所、美星天文台)を中心に非常に密な間隔で可視光残光の光度曲線を観測し、バースト後きわめて早期の残光の振る舞いを観測史上初めて明らかにした。この種の観測はHETE-2以前では不可能であり、画期的な成果といえる。また、2002年12月11日に起きたガンマ線バーストについては、発生後22秒で位置情報を配信することに成功し、バースト直後の時間帯で、急速に減光する残光天体があることが発見された。これは、可視光残光をともなわないと従来考えられてきた、いわゆる「暗黒ガンマ線バースト」の考え方を基本的に見直す観測事実であり、ガンマ線バーストの母天体・発生機構を研究する上で、HETE-2衛星が配信するリアルタイム位置情報が非常に重要であることを示すものとなった。 また、HETE-2は相対的にX線を多量に放射するバースト(X線フラッシュ)を数多く検出しており、通常のガンマ線バーストとの比較研究を大きく前進させている。さらに、赤道上空約600kmの高度における、変動荷電粒子帯の研究も進展させている。 これらの成果は、日本天文学会、日本物理学会の年会、ローマで行われたガンマ線バースト国際会議等で発表され、現在複数の論文を準備している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] C.Barraud, J.-F.Olive, J.P.Lestrade, J.-L.Atteia, N.Kawai, A.Yoshida, T.Tamagawa, et al.: "Spectral analysis of 35 GRBs/XRFs observed with HETE-2/FREGATE"Astronomy and Astrophysics. 400. 1021-1030 (2003)
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[Publications] T.Mihara, A.Yoshida, N.Kawai et al.: "Performance of the GSC engineering counter for MAXI/ISS"Proceedings of SPIE, X-Ray and Gamma-Ray Instrumentation for Astronomy XII. 4497. 173-186 (2002)