2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440074
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 靖志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40126199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聰 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (50280508)
石野 宏和 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90323782)
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Keywords | CP非保存 / Cabibbo-小林-益川行列 / 物質・反物質の対称性の破れ / ユニタリティ三角形 / イベントビルダ / Bファクトリー実験 / 角度φ_2 / 電子・陽電子衝突型加速器 |
Research Abstract |
現代素粒子物理学では、自然界に存在する4つの力のうち、重力を除く3つの力を記述する「標準模型」の完成をみた。その標準模型において未解明の重要な研究テーマの一つが、「物質・反物質の対称性の微妙な破れ」(CP非保存)である。 本科研費研究では、CP非保存の重要なパラメータの一つであるCabibbo-小林-益川行列のユニタリティ三角形の角度φ_2を10%の精度で測定すること、および、高速度で安定に高効率で稼動するデータ収集システムの開発を行い、高ルミノシティでのデータ取得に備えることの二つを目的とする。実験は、つくばの高エネルギー加速器研究機構のBファクトリー加速器KEKBおよび測定器Belleを用い、それを改良しつつ行う。 KEKB-Belle実験は、最高ルミノシティも世界最高の〜5×10^<33>cm^<-2>s^<-1>を達成し、順調にデータをためている。そして2001年の夏に、約30fb^<-1>のデータの解析を解析してユニタリティ三角形の角度φ_1を測定し、sin2φ_1=0.99±0.14(stat)±0.06(syst)という結果を得て、B中間子系でのCP非保存を初めて示すことができた。 本科研費研究に関しては、PCによるイベントビルダは予定より早く完成し、2001年夏のシャットダウン中にBell測定器に組み込んだ。システムは多少のデバッグの後順調に稼動し、データを収集している。角度φ_2の測定に関しては、まずΒ^0(B^^^0)→π^+π^-の崩壊モードに絞って、そのバックグランドの低減を図っているところである。この崩壊モードは、理論的には「ペンギン汚染」があるものの、終状態が単純な2体なので、集率も大きい。反面、終状態が「ありふれた粒子」であり、とくにcontinuum(e^+e^-→uu^^-,dd^^-,ss^^-,cc^^-)からのバックグランドが重要である。そのため、並列高速計算機システムを購入して大量の事象をシミュレートし、いろいろなカットを試しているところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Abe, et al.: "Observation of Large CP Violation in the Neutral B"Phys. Rev. Lett.. 87. 019802-1-7 (2001)
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[Publications] K.Abe, et al.: "Observation of the Decay B→Kl^+l^-"Phys. Rev. Lett.. 88. 021801-1-6 (2002)
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[Publications] K.Abe, et al.: "Observation of B^+→Xcok^+"Phys. Rev. Lett.. 88. 091802-1-5 (2002)
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[Publications] K.Abe, et al.: "Production of Prompt Charmonia in e^+e^- annihilation at √<s>【similar or equal】10.6GeV"Phys. Rev. Lett.. 88. 052001-1-6 (2002)
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[Publications] K.Abe, et al.: "Determenation of 1Vcblusing the semileptonic decay B→D^+e^-v"Phys. Lett. B. 526. 247-257 (2002)
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[Publications] K.Abe et al.: "Measurement of Br(B^^-o→D^+l^-v^^-)and determination of 1Vecbl"Phys. Lett. B. 526. 258-268 (2002)