2002 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線内殻吸収線二色性による軽い遷移金属酸化物の軌道秩序の直接観察
Project/Area Number |
13440113
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 昭夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00272534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 賢也 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (10284225)
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
谷口 雅樹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10126120)
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
佐藤 仁 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90243550)
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Keywords | 内殻吸収線二色性 / 軟X線放射光 / 直線偏光 / 遷移金属酸化物 / 軌道秩序 |
Research Abstract |
本研究の目的は、内殻吸収線二色性観測装置を設計・製作し、広島大学放射光科学研究センターの軟X線放射光ビームラインと組み合わせることにより,放射光の直線偏光性を利用した,内殻吸収線二色性観測に最適化したシステムを完成させる。本システムを利用して,チタンやバナジウムを含みペロブスカイト構造を持つ遷移金属酸化物について,直接的に遷移金属の3d軌道秩序の観測を行うことである。 また本研究では,良質な単結晶をイメージ炉を用いて作成し,放射光を用いた内殻吸収線二色性の観測によって軌道秩序そのものの有無を調べたり,温度依存性を観測することによって軌道秩序とスピン秩序との相関を調べることを目的としている。 本年度は,内殻吸収線二色性観測装置を用いて,作成したYTiO_3単結晶の内殻吸収の直線偏光依存性の観測を,放射光科学研究センターの軟X線射入射ビームラインにて行った。その結果,入射光の偏光ベクトルが,結晶のa軸に平行な場合とb軸に平行な場合で,吸収スペクトルの強度に違いが見られた。実験成果についての物理的な解釈は現在検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Taniguchi, H.Namatame: "Electron spectroscopies of d, f electron systems at Hiroshima Synchrotron Radiation Center"J. Electron Spectrosc. Relat. Phenom.. 124. 107-125 (2002)
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[Publications] K.Shimada et al.: "Direct observation of the Ce 4f states in the Kondo semiconductor CeRhAs and related compounds"Phys. Rev. B. 66. 155202-155205 (2002)
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[Publications] H.Sato et al.: "X-dependent electronic structure of YbXCu_4(X=In, Cd, Mg) investigated by high-resolution photoemission spectroscopy"J. Phys., Condens. Matter.. 14. 4445-4459 (2002)
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[Publications] A.Kimura et al.: "Soft X-ray Magnetic Circular Dichroism of c(2x2) CuMn Ordered Surface Alloy"Jpn. J. Appl. Phys.. 42(掲載予定). (2003)
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[Publications] T.Xie, A.Kimura et al.: "Magnetic Properties of Mn Ultrathin Film on Ni(110)"Jpn. J. Appl. Phys.. 42(掲載予定). (2003)