2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440127
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武田 京三郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40277851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 賢二 筑波大学, 物理学系, 助教授 (20334039)
三原 久和 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (30183966)
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Keywords | 蛋白質ナノチューブ / 第一原理電子論 / 環状ペプチド / Fmoc固相合成 / AFM観察 / ワイドバンドギャップ半導体 / 骨格構造の数理 / 分子構造と電子構造 |
Research Abstract |
分子構造理論: ・周期構造を有する高分子骨格構造を外部および内部座標間での線形変換を用いた数理学的表現で一般化し、点原子近似による骨格構造の定式化が可能となった。本年度は単一原子・要素からなる高分子群に適用し、同群の骨格構造はリング(環)・ディスク(板)・コイル(螺旋)の三形態の内の一つになることを初めて体系的に示した。 ・20種のアミノ酸残基で置換した環状ポリペプチドの安定分子構造を理論予測した。環状化に伴い環内水素結合がアミド面を崩壊させ、生体内では観測されていない新たな構造をとることが理論的に明らかになった。 電子構造理論: ・6員環および8員環からなる環状ポリペプチドの電子構造並びにその積層構造を第一原理エネルギー計算から明らかにした。その結果、環状構造においてもペプチド骨格折れたたみ角が隣接環状ポリペプチド間の水素結合に重要な働きを行い、典型的生体構造で見られるβシート類似の積層構造をとることが理論予測された。 ・環状ポリペプチドの積層構造からなる蛋白質ナノチューブは紫外域にバンドギャップを持つ半導体になり得ることが理論予測された。 環状ポリペプチド合成: ・Fmoc固相合成法を用い、cyclo[-(D-Ala-L-Gln)_3-](6員環)およびcyclo[-(D-Ala-L-Gln)_4-](8員環)の合成に成功し、質量分析によりその生成を確認した。さらに種々の基板および溶液を用いてAFM直接観察を試み、合成した両環状ポリペプチドがチューブナノ構造をとることを初めて実験的に明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Okamoto, K.Takeda, K.Shiraishi: "First-principles study of the electronic and molecular structure of protein nanotubes"Physical Review B. vol.64. 115425 (2001)
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[Publications] H.Okamoto, K.Takeda, K.Shiraishi et al.: "Theoretical Possibility of Semiconductive Properties in Peptide Nanotubes"Springer Proceedings in Physics. vol.87. 1637-1638 (2001)
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[Publications] H.Okamoto, K.Takeda, et al.: "Electronic and Molecular Structures of Protein Nanotubes"Proceeding of the 4th International Conference on Biological Physics. F220 (2001)
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[Publications] H.Okamoto, K.Takeda, et al.: "Theoretical Study on the Electronic and Molecular Structures of Novel Peptide Nanotubes"Bulletin of the 102th The American Physical Society March Meeting. S19-11 (2001)
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[Publications] T.Nakanishi, K.Takeda, et al.: "Conformational Analysis on the Molecular Structures of Polypeptides having L-D and L-L Regular Sequences"Bulletin of the 102th The American Physical Society March Meeting. K40-116 (2001)
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[Publications] H.Okamoto, K.Takeda, et al.: "Diversity of the Molecular Structure in Protein Nanotubes"Polymer Preprints, Japan. vol.50,no.14. 3617 (2001)
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[Publications] 岡本 創, 武田 京三郎: "機能材料5月号「蛋白質ナノチューブの第一原理電子論」"シーエムシー出版. 99-109 11 (2001)