2001 Fiscal Year Annual Research Report
大気中の酸素濃度と二酸化炭素の炭素同位体を用いた地球規模の炭素循環の解明
Project/Area Number |
13440137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00183129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 助手 (80282151)
佐伯 田鶴 東北大学, 情報シンジーーセンター, 助手 (30302243)
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
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Keywords | 酸素濃度 / 標準ガス / 二酸化炭素濃度 / 同位体 |
Research Abstract |
極めて高い精度での酸素濃度測定を長期間にわたって安定して行うために、独自に開発した酸素濃度測定装置を細部にわたって調整した。また、長期観測によって得られるデータの統一性を保つために、第1次、第2次、作業用からなる酸素濃度測定用標準ガスのシステムを確立した。さらに、酸素濃度の測定には試料の変質を避けるために特殊なガラス容器を使用することが不可欠であることが研究から判明したので、新たに試料採集・保存のための専用容器を製作した。 試料空気をガラス容器に加圧採取すると酸素濃度が時間とともに低下することが我々の研究から明らかになった。これを避けるために空気試料は大気圧で採取することにした。同じ空気試料から二酸化炭素濃度の高精度同時測定を行う必要があるが、従来用いられてきた非分散赤外分析計には大量の空気試料が必要になるため利用することが出来ない。このため、少量の試料の分析が可能な現有のガスクロマトグラフを新たに二酸化炭素濃度計測システムに組み込み、調整を行った。 本研究を遂行するためには二酸化炭素の炭素同位体測定みついても0.02%という高い精度を維持する必要があるため、現有の質量分析計を再整備した。また、国際標準となっているNBS-18を用いて本研究の基準となる標準ガスを新たに製作し、従来の研究で使用してきた作業用ガスの再検定を行った。 南極昭和基地および北極ニーオルスン基地、波照間島に加えて、日本-米国間と日本-ニュージーランド間の就航している定期商船上、および日本上空での商用定期航空機上において系統的な大気試料採集を実施した。試料が採集された容器を東北大学に返送してもらい、二酸化炭素濃度と酸素濃度、および二酸化炭素の炭素同位体を分析した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Ishijima, T.Nakazawa, S.Sugawara, S.Aoki, T.Saeki: "Concentration variations of tropospheric nitrous oxide over Japan"Geophys, Res. Lett.. 28. 171-174 (2001)
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[Publications] S.Toyoda, N.Yoshida, T.Urabe, S.Aoki, T.Nakazawa, S.Sugawara, H.Honda: "Fractionation of N2O isotopomers in the stratosphere"J. Geophys. Res.. 106. 7515-7522 (2001)
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[Publications] T.Nakazawa, S.Aoki, et al.: "Variations of stratospheric trace gases measured using a balloon-borne cryogenic sampler"Advances in Space Research. (印刷中). (2002)
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[Publications] S.Aoki, T.Nakazawa, S.Morimoto, F.Matsumoto, M.Ishizawa, T.Saeki: "Latitudinally different variations of the atmospheric carbon dioxide concentration and its carbon isotopic ration in the western Pacific Region"Proceedings of the 6th International Carbon Dioxide Conference. vol 1. 208-211 (2001)
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[Publications] S.Aoki, T.Nakazawa, et al.: "Carbon Dioxide Variations in the Stratosphere Over Japan, Scandinavia and Antarctic"Proceedings of the 6th International Carbon Dioxide Conference. vol 1. 23-26 (2001)