2002 Fiscal Year Annual Research Report
大気中の酸素濃度と二酸化炭素の炭素同位体を用いた地球規模の炭素循環の解明
Project/Area Number |
13440137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00183129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 助手 (80282151)
佐伯 田鶴 東北大学, 総合地球環境学研究所, 助手 (30302243)
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
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Keywords | 酸素濃度 / 二酸化炭素濃度 / 同位体 / 標準ガス |
Research Abstract |
1.南極昭和基地および北極ニーオルソン基地、波照間島、日本-北米間と日本-ニュージランド間に就航している定期コンテナ船上、および仙台-福岡に就航している日本エアシステムのジェット旅客機や東邦航空の単発セスナ機を用いて日本上空での系統的な大気採集を継続実施し、二酸化炭素濃度やその同位体および酸素濃度データの蓄積をおこなった。また、試料採集容器をさらに追加製作し、稚内-利尻、七類-隠岐、博多-那覇に就航しているフェリーに依頼して日本付近の時間・空間分解能を高めるた試料空気の採取も開始した。 2.二酸化炭素濃度やその同位体および酸素濃度の分析結果を解析した結果、それぞれについてきわめてきれいな季節変化と経年変化が得られた。二酸化炭素濃度は春季に最高濃度、夏季に最低濃度となるような季節変化を示し、さらに経年的に増加するような変化を示すのにたいして、二酸化炭素の炭素同位体や酸素濃度は二酸化炭素濃度と対称的な季節変化を示すことが明らかになった。また炭素同位体や酸素濃度は経年的に減少していることも明らかになった。これらの広域にわたる時間的・空間的変動の特性を明らかにするとともに、それらの原因について検討した。 3.酸素濃度測定の精度や標準ガススケールを相互比較するため、米国プリンストン大学の研究グループと多数の空気試料の交換を行い、それらの測定結果の詳細な比較検討を実施した。 4.全球3次元大気輸送モデルへの二酸化炭素と酸素の循環過程の組み込みを行った。そのモデルに現在広く受け入れられている幾つかの二酸化炭素放出・吸収のシナリオを入力して、実際に大気中の二酸化炭素濃度と酸素濃度、二酸化炭素の炭素同位体比を計算した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakazawa, T., Aoki, S., et al.: "Variations of stratospheric trace gases measured using a balloon-borne cryogenic sampler"Adv.in Space Res. 30. 1349-1357 (2002)
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[Publications] 菅原敏, 森本真司, 青木周司, 中澤高清: "AAMP98における温室効果気体の航空機観測"南極資料. 46. 147-154 (2002)
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[Publications] Morimoto, Sugawara, S., Aoki, S. et al.: "In-situ measurement of the atmospheric CO concentration at Syowa Station, Antarctica"Polar Meteorology and Glaciology. 16. 95-105 (2002)
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[Publications] Ishidoya, S., Aoki, S., Nakazawa, T: "High precision measurements of the atmospheric O_2/N_2 ratio using a mass spectrometer"J.Meteorol.Soc.Japan. 81. 127-140 (2003)
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[Publications] Aoki, S., Nakazawa, et al.: "Carbon Dioxide Variations in the Stratosphere Over Japan, Scandinavia and Antarctic"Tellus. (in press). (2003)
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[Publications] Sugawara, S., Kawamura, K., Aoki, S., Nakazawa, T.: "Reconstruction of past variations of δ13C in atmospheric Co_2 from its vertical distribution observed in firn"Tellus. (in press). (2003)
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[Publications] 青木周司 共著: "対流圏大気の化学と地球環境"学会出版センター. 223 (2002)