2001 Fiscal Year Annual Research Report
マグマ活動から見たマントル-地殻における有機物循環
Project/Area Number |
13440148
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
澤田 順弘 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80196328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 教授 (30101059)
氏家 誠司 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (40185004)
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (00226086)
松本 一郎 島根大学, 教育学部, 講師 (30335541)
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
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Keywords | 島弧マグマ / 堆積岩 / 高温高圧変成岩 / 有機物 / 炭素化合物 / 重合 / 火山ガス / 高温高圧実験 |
Research Abstract |
平成13年度は以下のことを行った。(1)地質調査と岩石採取:岩国-柳井地方の領家変成帯の変成岩、ミグマタイト、花崗岩、および西南日本外帯の中新世Sタイプ花崗岩類(熊野酸性岩)。(2)記載岩石学。(3)上記岩石と高マグネシア安山岩(HMA)試料について、X線マイクロアナライザー(EPMA)による炭素化合物を中心とした産状と組成分析、CHNS元素分析、熱分解ガスクロマトグラフ(PY-GC)分析。(4)本科学研究費で購入した熱分解GC質量分析装置(PY-GC-Ss)を立ち上げ、各種予備実験を行うとともに、全岩・鉱物中の炭素化合物の定性分析を予察的に行った。 結果は以下の通りである。(1)堆積岩(物)の関与がありうる火成岩や変成岩中には、EPMA分析では炭素化合物は炭酸塩、S・CL・Nなどの元素を伴うもの、アモルファスまたは石墨としての炭素、黒雲母中に均質に分布するものなど多種多様な産状を示す。(2)HMAではカンラン石や単斜輝石斑晶中の炭質包有物も含めて有機物は,HMAマグマがマントル中で流紋岩メルトまたは流体として存在していた有機物ないしその分解生成物をトラップし、その後、堆積岩有機物の熱分解で生成したメタン等の炭化水素が逃げずに残り,マグマの生成・冷却に伴って高分子化した可能性が高い。(3)領家成帯や外帯のSタイプ花崗岩の研究からは、泥質岩が部分融解して花崗岩質メルトが生成される時、炭質物および炭化水素類の多くは流体となり系から逃げるが、一部は粘性の高いメルトにトラップされ、固結過程で重合し高分子化する。また、高温変成岩、ミグマタイト、花崗岩中の黒雲母には極微細な炭質物が均質に分布することから、結晶構造中に炭素もしくは炭質物が入っている可能性が高い。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kabeto, K., Sawada, Y., Iizumi, S., Wakatsuki, T.: "Mantle sources and magma-crust interactions in volcanic rocks from the northern Kenya rift : geochemical evidence"Lithos. 56. 111-139 (2001)
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[Publications] 沢田順弘, 徳岡隆夫, 山内靖喜, 三瓶良和, 西村清和: "宍道地溝帯中軸部、美保湾で発見された更新世火山とその地質学的意義"地質学雑誌. 107. 392-405 (2001)
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[Publications] Kabeto, K., Sawada, Y., Wakatsuki, T.: "Different evohition trends in alkaline evolved lavas from the northern Kenya"Jour. African Earth Sci.. 32/2(In Press). (2002)
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[Publications] Sampei, Y., Matsumoto, E.: "C/N ratios in a sediment core from akaumi lagoon, southwest Japan-usefulness as an organic source indicator-"Geochem. Jour.. 35. 189-205 (2001)
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[Publications] Ohfuji, H., Akai, J.: "Icosahedral domain structure of framboidal pyrite"Amermican Mineralogist. 87. 176-180 (2002)