2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440187
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤村 正也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40202105)
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Keywords | フラーレン / Cp配位子 / 有機銅化合物 / C70 / C60 / 液晶 / フェロモン / 錯体触媒 |
Research Abstract |
5炭素配位子であるシクロペンタジエニルに(Cp)型配位子を含む金属錯体は有機金属化学において中心的な存在である.特にフェロセンに代表されるメタロセン型錯体は剛直な分子構造,化学的安定性レドックス活性,および導電性などの特性を有することから,機能性材料としての応用を指向する研究が活発に行われている.本研究は,先に我々が開発した5炭素配位型フラーレン配位子FCpを利用して触媒や材料として有用な機能分子を合成することを目的としている.昨年度までの研究により,シクロペンタジエニル基の周りに,立体的に小さな基であるメチル基を有する誘導体C_<60>Me_5H(MeFCp)が合成され,これにより炭素と金属の間に高い共有結合性を有する金属錯体の合成に道が拓けた.本年度はこれをさらに発展させ以下のような成果が得られた. 1)アルケニル銅化合物の反応により,アルケニル型置換基を持つFCp誘導体を合成することに成功した. 2)C_<70>に対する有機銅化合物の3重付加反応の一般化を進め,異なる置換基を持つ様々なインデニル型C70誘導体の合成法を確立した. 3)FCpおよびインデニル型C70誘導体を用い,フラーレンとフェロセンのハイブリッド有機金属錯体を合成することに成功した. 4)FCpの一次元組織化に成功し,これを応用して,直線的に配列したフラーレンを基本骨格とする新型の液晶を開発した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masaya Sawamura: "Regioselective penta-addition of 1-alkeny1 copper reagent to [60]fullerene. Synthesis of penta-alkeny1 FCp ligand"Journal of Organmetallic Chemistry. 652巻. 31-35 (2002)
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[Publications] Masaya Sawamura: "Cu(I)-mediated regioselective tri-addition of Grignard regent to [70]fullerene. Synthesis of indeny1-type metal ligand embedded into graphitic structure"Journal of Materials Chemistry. 12巻. 2109-2115 (2002)
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[Publications] Masaya Sawamura: "Hybrid of Ferrocene and Fullerene"Journal of the American Chemical Society. 124巻32号. 9354-9355 (2002)
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[Publications] Masaya Sawamura: "Stacking of conical molecules with a fullerene apex into polar columns in crystals and liquid crystals"Nature. 419巻. 702-705 (2002)