2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい糖鎖接合法を用いるオリゴ糖類の立体選択的合成法の開発
Project/Area Number |
13440217
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
向山 光昭 東京理科大学, 理学部, 教授 (60016003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 勇 東京理科大学, 理学部, 講師 (40246690)
|
Keywords | グリコシル化反応 / 糖鎖合成 / 連続的反応 / トリチル塩 / プロトン酸 / チオグリコシド / F1α抗原 / 枝分かれ型糖鎖 |
Research Abstract |
ワンポット連続的グリコシル化反応は一つの反応容器内で複数のグリコシド結合を連続的に形成させて糖鎖を合成する方法であり、糖鎖ライブラリーの構築や糖鎖の自動合成装置の開発に有効なものとして近年注目を集めている。最近我々の研究グループも触媒量のトリチル塩あるいはプロトン酸を用いる2種類のワンポット連続的グリコシル化法を確立している。本年度は、このワンポットグリコシル化反応を鍵反応とする種々の天然型糖鎖の効率的合成法の確立を目指し、以下の二つの研究を行った。 (1)ワンポット連続的グリコシル化反応によるムチン型糖鎖F1α抗原の効率的全合成 ムチン型糖鎖の一種であるF1αは胃癌細胞などの癌細胞表面に特異的に分布していることが知られており、生体における機能を解明する上でも純粋な標品の迅速な供給が望まれている。そこでワンポット連続的グリコシル化反応によって効率的にこれを合成することを計画した。検討の結果、チオグリコシドとセリン誘導体との立体選択的グリコシル化反応によって得られる糖受容体と、別途合成したガラクトース誘導体およびチオグリコシドの3成分を用いるワンポットグリコシル化反応によってF1αの保護体が高収率かつ高立体選択的に得られることを見出した。 (2)ワンポット連続的グリコシル化反応によるファイトアレキシンエリシター活性を有する枝分かれ型7糖の合成 ファイトアレキシンエリシター活性を有する枝分かれ型糖鎖はその特異な構造から有機合成化学者の注目を集め、これまで多くの研究グループがそれらの合成研究を報告している。ここでは枝分かれ構造を有する7糖を標的化合物とし、その簡便な合成に関して詳細に検討を行った。その結果、単糖ユニットからわずか2回のワンポット連続的グリコシル化反応によって目的化合物の合成を達成することができた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Manabu Yanagisawa: "Catalytic and Stereoselective Glycosylaltion with Glycosyl Fluoride Using Active Carbocationic Species Paired with Tetrakis(pentafluorophenyl)borate or Trifluoromethanesulfonate"Chemistry Letters. 224-225 (2001)
-
[Publications] Teruaki Mukaiyama: "Catalytic and Stsereoselective Glycosylation with Disarmed Glycosyl Fluoride by Using a Combination of Stannous(II) Chloride(SnCl_2)and Silver Tetrakis(pentafluorophenyl)borate[AgB(C_6F_5)_4]as a Catalyst"Chemistry Letters. 388-389 (2001)
-
[Publications] Hideki Jona: "A Catalytic and Stereoselective Glycosylation with Glucopyranosyl Fluoride by Using Various Protic Acids"Chemistry Letters. 426-427 (2001)
-
[Publications] Hideki Jona: "Catalytic and Stereoselective Glycosylation with Disarmed Glycosyl Fluoride Having Phthaloyl or Dichlorophthaloyl Protected Amino Function Using a 1:2 Combination of Stannic Chloride and Silver Tetrakis(pentafluorophenyl)borate"Chemistry Letters. 726-727 (2001)
-
[Publications] Teruaki Mukaiyama: "A Convergent Total Synthesis of the Mucin Related Fla Antigen by One-Pot Sequential Stereoselective Glycosylation"Chemistry Letters. 840-841 (2001)