2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい糖鎖接合法を用いるオリゴ糖類の立体選択的合成法の開発
Project/Area Number |
13440217
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
向山 光昭 社団法人北里研究所, 基礎研究所, 部長 (60016003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 淳一 社団法人北里研究所, 基礎研究所, 研究員 (50328580)
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Keywords | 糖質化学 / グリコシル化反応 / シアロシド合成 |
Research Abstract |
近年、糖質化学の問題を取り上げ、特に効率的な糖鎖合成手法の開発を目指して検討を続けており、糖供与体としてフッ化糖とチオグリコシドを組み合わせ用いる触媒的ワンポット連続的グリコシル化反応を利用する方法を確立した。今回このワンポット連続的グリコシル化反応によってファイトアレキシンエリシター活性を有する7糖の効率的な全合成を完了した。すなわち、まず還元末端側3糖ユニットを3成分ワンポットグリコシル化反応によって迅速かつ高収率で合成し、ここで得られた3糖ユニットと3つの単糖ユニットの4成分を用いるワンポットグリコシル化反応によって、4つのグリコシド結合をワンポットで生成し、対応する7糖保護体を良好な収率で立体選択的に構築した。ここで得られた保護された7糖を、引き続き2工程を経て高収率で脱保護された最終目的化合物に誘導し、ワンポット連続的グリコシル化反応を鍵反応に用いる効率的全合成を達成することができた。 現在までに数多くのシアル酸のグリコシル化反応が開発されているが、シアル酸特有の構造に基づく幾つかの問題点が指摘されている。そこで研究代表者らは、メチル5-アジド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-2,3,5-トリデオキシ-2-フルオロ-α-D-グリセロ-D-ガラクト-2-ノヌロピラノソネートを新規糖供与体として高収率かつα-選択的に合成し、この糖供与体とメチル2,3-トリ-O-ペンゾイル-β-D-ガラクトピラノシドとのグリコシル化反応を、n-バレロニトリル中、MS5Å存在下、20mol%の四塩化スズおよび40mol%の過塩素酸銀を組み合わせ用いる複合系触媒を活性化剤として用い検討したところ、-20℃でこの糖供与体は速やかに活性化されてグリコシル化反応が進行し目的とするシアロシドが高収率且つα-選択的に合成できることを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Mukaiyama: "Convergent and Convenient Total Synthesis of Phytoalexin-Elicitor Active Heptasaccharide by One-Pot Sequential Glycosylation"Chemistry Letters. No.7. 730-731 (2002)
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[Publications] H.Chiba: "Catalytic and Chemoselective Glycosylation between "Armed" and "Disarmed" Glycosyl p-Trifluoromethylbenzylthio-p-trifluoromethylphenyl Formidiates"Chemistry Letters. No.7. 746-747 (2002)
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[Publications] T.Mukaiyama: "A Catalytic and α-Selective Sialylation Using Novel 5-Azido Sialyl Fluoride"Chemistry Letters. No.12. 1182-1183 (2002)
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[Publications] T.Mukaiyama: "Glycosyl fluoride A superb glycosyl donor in glycosylation"Proceedings of the Japan Academy. 78(B)(4). 73-83 (2002)