2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440238
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久堀 徹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40181094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 賢右 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (90049073)
|
Keywords | 制御領域 / γサブユニット / ATP合成酵素 / 葉緑体 / 酸化還元 / εサブユニット |
Research Abstract |
本研究は、酵素1分子の活性制御を可視化する世界で初めての実験系と、葉緑体ATP合成酵素の制御機構を研究するための大腸菌を利用したモデル生体膜実験系を完成し、制御の分子機構を明らかにするを目的としている。 この目的を達成するために、本年度は以下のような研究をおこなった。 1.葉緑体ATP合成酵素のγサブユニットとεサブユニットの酵素上での相互変化を直接測定する実験系として、酵素複合体のうちεサブユニットのみが持っているトリプトファンに着目し、分子の相互作用によるトリプトファン周囲の環境変化によって起こる蛍光強度の増加を測定した。その結果、ATP合成酵素複合体に対するεサブユニットの解離定数を直接測定することに成功した。また、これまで一般に信じられていたγサブユニットの調節システインの酸化と還元がεサブユニットの結合親和性に影響すると言う定説が誤りであることを見いだした。 2.昨年度、アムステルダム自由大学・Dirk Bald博士ならびにデュッセルドルフ・ハインリヒ・ハイネ大学・Georg Groth博士との共同研究によって成功した、植物葉緑体のATP合成酵素に特異的な阻害剤であるテントキシンに対する感受性を付与した好熱菌F1を用いて、一分子回転観察の解析を行い、阻害状態の酵素の回転様式を明らかにした。 3.限界希釈系を用いた1分子レベルでの活性制御の観察を行うことを目指して、検出器の高感度化と流路の改善を引き続き行りた。また、モデル酵素としてグルコース6-リン酸脱水素酵素の発現系を構築した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Hisabori, T., Ueoka-Nakanishi, H., Konno, H., Koyama, F.: "Molecular evolution of the modulator of the chloroplast ATP synthase : Origin of the conformational change dependent regulation"FEBS Lett.. 545(1). 71-75 (2003)
-
[Publications] Paviova, P., Shimabukuro, K., Hisabori, T., Groth, G., Lill, H., Bald, D.: "Complete inhibition and partial re-activation of single F1-ATPase molecules by tentoxin : New properties of the re-activated enzyme"J.Biol.Chem.. 279(11). 9685-9688 (2004)
-
[Publications] Ueoka-Nakanishi, H., Nakanishi, Y., Konno, H., Motohashi, K., Bald, D., Hisabori, T.: "Inverse regulation of rotation of F1-ATPase by the Mutation at the Regulatory Region on the gamma Subunit of Chloroplast ATP Synthase"J.Biol.Chem.. 279(in press). (2004)