2002 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチドのレドックス代謝ネットワークを制御する分子基盤の研究
Project/Area Number |
13440240
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷 俊治 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (00127276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 洋子 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (60255429)
楠木 正巳 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (90135749)
|
Keywords | プラスチド / レドックス代謝 / フェレドキシン / フェレドキシン:NADP還元酵素 / 亜硫酸還元酵素 / グルタミン酸合成酵素 |
Research Abstract |
プラスチドと総称されるオルガネラは、炭素、窒素、硫黄等の無機物から生体物質を同化する。この独立栄養機能を支える代謝機能はレッドクス反応を基礎とし、電子キャリアー蛋白質であるフェレドキシン(Fd)とFdを電子供与体とする酵素群の組み合わせが、このレッドクス代謝のかなめとして働く。Fdを介した電子分配がプラスチドの広範なレドックス代謝を駆動・制御する主要因であり、その具体的な分子機構を解明することを目的として研究を行った。今年度は以下の成果を得た。 1)ゲノム情報が活用できるシロイヌナズナを材料として、Fd遺伝子フブミリーを構成する4種の分子の組換え体を調製し、そのレドックス特性と光化学系I、FNRやSiRとの反応性を解析した。その結果、分子種により特性が大きく異なることが明らかになり、レドックス代謝における機能分業が示唆された。今後、Fdの分子種別の相互作用蛋白質を解析し、代謝ネットワークにおける役割を明らかにする。 2)ラン藻のFd依存性のグルタミン酸合成酵素は炭素と窒素同化の連結点で機能するが、この酵素の量が炭酸同化のレベルに対応して増減することと、その遺伝子のプロモータ領域に炭酸同化の効率を感知する機構が備わっていることを明らかにした。今後、炭素・窒素同化のバランス制御に関わる情報伝達系の探索が可能となった。 3)亜硫酸還元酵素単独及びFdとの複合体の結晶を作製し、X線構造解析を進めつつある。目下、3オングストローム程度の分解能の回折像が得られている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kada S.: "Arrest of chlorophyll synthesis and differential decrease of photosystems I and II in a cyanobacterial mutant lacking light-independent protochlorophyllide"Plant Molecular Biology. 51. 225-235 (2003)
-
[Publications] Sekine, K.: "Reversible DNA compaction by sulfite reductase regulates transcriptional activity of chloroplast nucleoids"Jounal of Biological Chemistry. 277. 24399-24404 (2002)
-
[Publications] Maeda, M.: "Partially folded structure of flavin adenine dinucleotide-depleted ferredoxin-NADP^+ reductase with residual NADP^+ binding domain"Jounal of Biological Chemistry. 277. 17101-17107 (2002)
-
[Publications] 長谷 俊治: "植物のパワージェネレーターは光でコントロールされる"第16回「大学と科学」公開シンポジウム講演収録集. 69-77 (2002)