2003 Fiscal Year Annual Research Report
無脊椎動物横絞筋の巨大サルコメアを維持する弾性タンパク質
Project/Area Number |
13440248
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 澄子 千葉大学, 理学部, 助教授 (50093232)
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Keywords | I-コネクチン / 巨大サルコメア / 弾性タンパク質 / PEVK / 斜紋筋 / タイチン / 横紋筋 / 無脊椎動物 |
Research Abstract |
無脊椎動物に存在する巨大サルコメアの横紋構造が,どのようにして維持されているかに関して,弾性を持つ構造タンパク質を中心に研究をおこなっている。 これまでの研究で,ザリガニはさみ閉筋(節足動物横紋筋)の巨大サルコメアに存在するI-コネクチンの全一次構造を決定し,脊椎動物と同様な配列を持つと共に新規配列を持つこと,この新規配列が非常に伸びやすいことを明らかにした。 無脊椎動物には節足動物横紋筋だけでなく,環形動物の斜紋筋にも巨大サルコメアがあり,コネクチン様タンパク質が存在することがわかっている。 そこで本年度は、環形動物斜紋筋の構造維持に関与する弾性タンパク質の一次構造を明らかにするために、ゴカイ体壁筋1200Kタンパク質のcDNAクローニングをおこなった。その結果、2つの異なるクローンが得られた。一方のクローンは,プロリン(P)・グルタミン酸(E)・バリン(V)・リシン(K)の4種類のアミノ酸に富む配列とイムノグロブリン様のドメインが繰り返し配列された構造であり,他方のクローンはPEVKに富む14アミノ酸からなる新規の繰り返し配列であった。PEVK領域は脊椎動物のコネクチンに存在し、弾性を生み出して筋肉の受動的張力を担っていると考えられている部分である。 このことから,この1200Kタンパク質は弾性を持ったコネクチン様タンパク質であり,筋肉の構造の維持に大きな役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shimamura, J.: "Localization of Projectin in Locust Flight Muscle."Comp.Biochem.Physiol.. 136. 419-423 (2003)
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[Publications] Oshino, T.: "The entire cDNA sequences of projectin isoforms of crayfish claw closer and flexor muscles and their localization."J.Muscle Res.Cell Motil.. 24. 431-438 (2003)
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[Publications] Noguchi, H.: "The Primary Structure of Chicken Breast Muscle Connectin (Titin)."Zool.Sci.. 20. 1542 (2003)
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[Publications] Kimura, S.: "Connectin (Titin)-like Giant Protein in Invertebrate Smooth Muscle (Molluscan ABRM)."Zool.Sci.. 20. 1542 (2003)